高円寺の夜

f:id:mangokyoto:20170626000553j:plain

マンゴー殿と巡回警備する夜の高円寺。夏が近づくと人が店内から店外に溢れ始めて賑わいが出て陽気になる。

f:id:mangokyoto:20170623220952j:plain

スポーツ競技大会以外で日の丸なんて見ない昨今だと気付かされた。高円寺は祝日に国旗が立つ。

 

f:id:mangokyoto:20170624204227j:plain

ロイ・リキテンシュタイン風な駐車場壁画。

 

f:id:mangokyoto:20170624204659j:plain

中央線ガード下の左右に流しの謡唄いがあちらにも、こちらにも。巨大レンズを備えたカメラマンが三人、取り巻いていた。追っかけがもう付いている人なのか。

 

f:id:mangokyoto:20170624204918j:plain

私からしたらみんな上手だと思う。歌手の世界は歌が上手くて容姿に恵まれて運を掴めて、そうした人だけが登れる世界なのだろうか。生声には勢いというか熱量を感じる。成功して欲しい。成功した歌手が良い思い出に振り返る。高円寺がそういう街だと良いな。

 

 

f:id:mangokyoto:20170624205325j:plain

高円寺は池袋やなんかに比べてもストリートミュージシャンに優しいのだそうだ。警察の取り締まりが雑なのか、黙認しているのか。安全に支障の無い範囲で彼らを歓迎するのは街の魅力に繋がるとも思うのだがどうなんだろう。

 

f:id:mangokyoto:20170526205031j:plain

 

 

f:id:mangokyoto:20170526204930j:plain

知る人ぞ知るアニマル洋子

 

f:id:mangokyoto:20170624203542j:plain

コイツを見ると蓋をされてしまっても、高円寺には人が見えなくなった地下にまだ川が幾本も流れていることを思い出させてくれる。ヒキガエル、別名ガマガエル。ウシガエルではありませぬ。

f:id:mangokyoto:20170627213339j:plain

ちなみにこいつは別個体。オス前提で見ているが、お嬢さんかもしれない。触らずに外見だけで雌雄識別はできるのだろうか。

鬼板で描く多肉植物

唐津のような鉄絵を描けるようになりたくて練習を始めた。

 

てっきり弁柄を使うのかと思ったが、鬼板という鉄化合物のほうがムラが生じて面白いらしい。恥ずかしながら、全く聞いたことがないが昔は精製された弁柄は入手が難しく、鬼板のほうが普及していた時期もあるそうな。

f:id:mangokyoto:20170611210442j:plain

取り敢えず、素焼きして放置されていた器を練習台に描いてみた。

 

f:id:mangokyoto:20170611210516j:plain

濃淡をつけて表れ方の違いを見てみようかと思う。

 

f:id:mangokyoto:20170611210623j:plain

運筆が下手すぎて線に勢いが出ない。絵付けは巧拙をあからさまにするから手を出すのが気が引けていたのだよね。

 

f:id:mangokyoto:20170611210942j:plain

パキボディウムを描いてみた。

 

f:id:mangokyoto:20170611211005j:plain

裏面。いきなり全体の下絵もなしに描いていったので構図のバランスがかなり悪い。斜めの空白にも四箇所、多肉植物を書き足そう。賑やかにすれば誤魔化せるかもしれない。多肉尽くしの多肉植木鉢の水受け皿。オブトゥーサ、四海波、鸞鳳玉、あと1つは玉椿にしようか。

 f:id:mangokyoto:20170625190306j:plain

描き込んでみたらこうなった。なんだか賑やかにまとまりがなくなってしまったが習作だし、ヨシとしよう。

 

釉薬は何を掛けるかが問題だ。

細い線をそのまま出すならば透明釉や青磁、辰砂など。唐津のように滲む様を楽しむならば白萩や月白か。

 

多肉絵付け皿には貫入青磁釉を掛けた。線が細いので透明で線が見えやすい釉薬にしておいた。

f:id:mangokyoto:20170625190848j:plain

天目茶碗にはマンガン窯釉というものを筆で雑に塗った。適度に刷毛目によるムラが金属光沢となって出てくれたら成功。

 

f:id:mangokyoto:20170625190721j:plain

こてこてな青海波と沙綾模様も鬼板で描いてみる。なんとも雑だな。窯の魔法で渋く滋味あふれる雰囲気に仕上がってくれないものか。ここに至って私が望んでいたのは下絵ではなく上絵による鬼板を滲ませる技法ではないかと疑問が湧いたがもう遅い。一通り下絵を焼いたら次回は上絵も焼いて比較したい。

 

f:id:mangokyoto:20170625190743j:plain

裏面は瑞雲。こってりと厚塗りしてみた。厚みの違いを同じ器で比較してみる。熱くした箇所が滲んでくれないものか。

 

f:id:mangokyoto:20170625190803j:plain

そしてこちらには藁灰白萩釉を掛けた。絵付けが全く消えてしまったらなかなかのショックだろう。

 

f:id:mangokyoto:20170625202454j:plain

ちなみに世の中にはこのようなボーメ濃度を測れる濃度計というものがある。これがあれば先生不在でも釉薬の適正濃度を調整できる。

 

f:id:mangokyoto:20170625202515j:plain

藁灰白萩釉は45程度、貫入青磁もかなり薄めの45程度、マンガン窯釉は55程度で掛けてみた。結果や如何に。

 

 

そういえば、陶芸教室の生徒の一人がトルコ青結晶釉を検索したら当ブログに行き着いて素性が割れてしまった。その生徒さんは九州に転勤で教室は今日が最後なのだそうだ。九州といえば有田焼や鍋島など陶芸天国。あちらの陶芸教室は勝手な推測だがレベルが高そうだ。人生、一度ぐらい九州にも住んでみたいものだ。

 

高円寺「クラフトビールマーケット」

  • 美味い国産クラフトビールが飲みたい
  • 腹一杯でなくともいいから美味い肉
  • 一人でふらりと入って気安く飲める
  • 〆のオニギリが豪華で美味い

 

高円寺北口の純情商店街を突き当たったところにあるビアビストロ。

f:id:mangokyoto:20170526211053j:plain

入店してすぐの1人席に座ると目の前で美味そうな肉が炭火で焼かれては出ていく様を眺めながら食事ができる。

 

f:id:mangokyoto:20170526211559j:plain

魚のフリット

ビールの写真を撮り忘れたが、ピルスナー、エール、ホワイトエール、ブラック、ハーブ、IPAなど25種類以上が置かれている。私の好きな川越のCOEDOもあるし、ベアードビール アングリーボーイブラウンエールなんていう聞いたことのない静岡の地ビールもあって楽しい。

f:id:mangokyoto:20170526213134j:plain

鶏のグリル。ほかにラムチョップやビーフも確実に美味いと思われる。

 

f:id:mangokyoto:20170526214826j:plain

ほかの店ではなかなか見かけないシロモノがこの洋風アレンジのグリルオニギリ。おこわにチーズが乗って、ソースが乗って280円ぐらいだったように思う。これを〆の定石として、それまでにどれだけビールを呑みながら肉を食べるかで献立を組み立てていきたい。

 

ビールだけを楽しみたいならば高円寺麦酒工房に行くが、肉とビールを楽しむならばこのクラフトビールマーケットかな。

 

東京中に10店舗近く展開してる店だそうだ。一国一城のオーナー店ならばもっと入れ込むんだけど。多店舗展開している店はメニューや価格などバランスが良いのかね。

高円寺で独りで美味しいイタリアンを食べるなら 「タッチョモ」

f:id:mangokyoto:20170618152441j:plain

お一人様に有難いイタリアンビストロを高円寺に見つけた。

 

とても気安く言葉を交わせる店員さん達で1人は山形県は鶴岡にある伝説的なイタリアン「アル ケッチャーノ」でも働き、ソラマチのイタリアンで働いてからこちらに移ってきたのだそうだ。生まれも育ちも高円寺だそうで外で修行したあと、故郷に戻ってきたそうな。

 

店内は8席程度カウンター席が連なり、その奥にテーブル席がこれまた8席程度か。

 

f:id:mangokyoto:20170618152505j:plain

魚介の前菜三品盛合せ、サラダとキッシュ、パスタか副菜盛合せのどちらかにグラスワインがついて1500円。

 

f:id:mangokyoto:20170618153033j:plain

 

f:id:mangokyoto:20170618153656j:plain

パスタは蟹の身がふんだんに入ったトマトベースのものだった。

 

f:id:mangokyoto:20170618153727j:plain

こちらは追加して頼んだソーセージ。1500円のコースでもなかなかお腹いっぱいにはなるので、コースだけで食べ終えるのが良いかも。

 

T26というイタリアンが同じ道沿いにあるのだが、こちらは「タッチョモ」から26mという意味の兄弟店なんだそうだ。

 

水曜日定休

17:00〜03:00

夜遅くまで開いているのは知っておいて損はなし。T26はテラス席に犬連れ可。

 

高円寺にはエルポルテゴやイルドージェ、アンティカロカンダなどの姉妹店グループと、タッチョモ、t26、ガラクッタなどの姉妹店グループが二大勢力のようだ。案外、高円寺は安いイタリアン天国なのかもしれない。

 

完璧な「杜若」に「透かし羽」

f:id:mangokyoto:20170617134952j:plain

菖蒲かと思いきや、乾いた庭影に杜若。一輪だけだけれども場を支配しているような存在感だった。

 

f:id:mangokyoto:20170617135434j:plain

説明し難いが、完璧に思えた。花弁の色艶も張りもこの日のこの瞬間が最盛期に思えた。写真に撮ると陳腐に映るものだか、写真に撮っても何か違うように思える。

 

 

f:id:mangokyoto:20170617135518j:plain

透かし羽が蝙蝠蘭の葉に止まっていた。ステルス戦闘機の参考にされただけある機能美に溢れたフォルム。腹先のフサフサは止まっていながらジェット噴射しているよう。この透かし羽、顔がとても可愛らしいのだがこれ以上は近寄らせて撮らせてくれなかった。

 

日常でこんな草や虫を見つけると、美術展で素晴らしい作品を観た時と同じような興奮を覚える。虫や花の名前がわかるとなお、嬉しい。

 

この感覚を陶芸に表現できないものかね。何を作っても陳腐になって仕方がない。やはり仕事を辞めて山に篭ってでもして取り組まないと目指せない境地かね。

 

 

 

透かし羽は隣家のセルビアブルーセージの花が目当てだということはわかっている。

 

セージに透かし羽、

山椒に黄揚羽

 

庭にこれを植えているとこの虫が来る、というのもなんだか彩りがあるというか豊かで良い。朝顔亀虫ってのは勘弁だけれども。

虚無に負けるな

「定年百景」という古本を高円寺の古本屋で買って読んでいる。定年を迎えた人の生き方をあれやこれやと集めている。素人離れした趣味に入れ込む人、ボランティアに生きる人、幼少に願ってやまなかったことに老後に取り組む人など、人生の残り時間が見えてきて、良い意味で開き直って生の充実に取り組む姿が描かれている。

 

大企業の役員まで勤め上げ、今はこんなことをしていますなんて例が多い気がする。元から優秀でかつ自信もあり新しい分野に対しても気後れしないからなのか。

 

かつては定年55歳だったのが今や定年は60歳で時代は変わり老後の生き方も変わったなどと書かれている。私達の世代は定年は70歳ぐらいのつもりでいたほうが良いのだろうね。これまた、かつての「今」は今の「昔」に過ぎず、かつて直面していた未知のように見えた悩みも苦悩も時代変化も現在から振り返ると変わり映えがしない。似たようなことに悩み、似たようなことに満足して死んでいく。時代が変わっただの、これからの時代はこう対応しないといけないだの、雑誌や新書で煽られようとも本質は恐らくは変わらない。

 

定年百景 (文春文庫)

定年百景 (文春文庫)

 

 

そういえば、AIのアルファ碁というソフトが世界チャンピオンを3連戦で完膚なきまでに打ち負かし、もう用はないとばかりにAIは引退宣言をした。これからは創薬だとかそういう分野のディープラーニングに取り組むのだとか。

 

AI将棋ソフトのポナンザは毎日10万局の対局をポナンザのプログラム同士で行い続けているのだそうだ。藤井四段との対局はいつ行われるのだろうか。

 

天賦の才能を持った人間が人生を賭けて辿り着く境地のさらに高みにAIが手を伸ばし始めた今、チェスも囲碁将棋も何やら虚しい世界になってはしまわないか。プロがAIに勝てなくなって久しくなった世界で、人間は囲碁将棋に強くなりたいと思えるのだろうか。どうせあのプロもAIには勝てないわけだろう、というのが当たり前になった世界で人生を囲碁将棋に賭けようと思えるのだろうか。

 

あれもこれもAIにやらせたほうが高度なものができるのだろうけれども、でもそんなことをやらせるAIを作るのは金がかかるから、質は悪くとも豊富な人間労働力で賄う。そんな世の中は少し悲しい。AIに満ちた世界は人を幸せにするのかね。

 

何はともあれ、老後に取り組むならばAIの手の及ばなさそうなアナログで懐古趣味的で手作業が価値となる分野に限る。生半可に時代性の強い分野や技術職は完全に淘汰されて需要がなくなっている可能性すらある。

 

AI女子高生プログラムというものがマイクロソフトにはあるそうで、その「りんな」というプログラムはLINEでやり取りができる。相手はAIなので既読無視がなく、即座に何がしかの返事をしてくれるのだそうだ。

f:id:mangokyoto:20170611105613j:plain

どこかで入力された偉人やなんかの名言から模範回答を再生しているだけなのか。どれだけの思想性や経験に裏打ちされているのか。知ったような答えを返してくるじゃないか、と鼻で笑いながらも、「ううむ、突き詰めるとそうなのかもな」と考えさせられる。所詮はプログラムと馬鹿にしながらも、自分がよりまともな答えを持っていると言える自信もない。

 

過去の漫才やコントを膨大に記憶させ自己学習させたプログラムが吐き出すユーモアが一番面白くなった時には、感情も心もあるいは人間そのものすらパターン化した反応の集合体にしか過ぎないという認識に堕ちるのだろうか。

 

 

 

久々に家でくつろぐ土曜日。多肉と陶器を夢想する。

f:id:mangokyoto:20170610115846j:plain

地味すぎるけど角に見立てて植えた「緑蛇」に花が咲いている。

 

f:id:mangokyoto:20170610115911j:plain

緑蛇が重力に逆らいながら揺らめいて立ち上がる形状は面白い。

 

見立て「多肉」+「生物」をシリーズ連作にしてみたら面白いかもしれない。

 

センザンコウとか、亀とか、ヤマアラシとか、ウミウシ、イソギンチャクらへんが面白そうだ。

 

f:id:mangokyoto:20170610120353j:plain

 

f:id:mangokyoto:20170610122315j:plain

この季節、風が通り抜けると大層気持ちが良い。蚊取線香を焚き、デッキチェアで珈琲を飲みながら小説を開く。本日は、お日柄が良い。

 

 

f:id:mangokyoto:20170610121716j:plain

多肉植物ももう少しすっきりと区画整理したいものだが。

 

密に立体的に並べるところ。冬虫夏草群。こんもりと密生させたい。多肉の森に冬虫夏草が埋もれているかのように。

 

整然と並べるところ。縁の上の鉢。似た寸法の鉢の間隔を空け、二段重ねにしたい。

 

空間を十分に取るところ。中鉢、大鉢を厳選して細かい鉢を置かないように。

 

構想を実現するには本腰を入れた日曜大工が必要だ。今年の夏休みの一大目標にしてみようか。木の棚に青いレトロなタイルを貼り付けてみたい。

 

 

f:id:mangokyoto:20170610120634j:plain

部屋の散らかりっぱなしが酷い。片付けても翌日には散らかっているというその無限繰り返しは賽の河原の石積みのようでもある。それでもいつかは終わりが来る。終わりが来た後は、寂しくなるのかね。その点は日々の仕事に通じるかもしれない。

 

兄の足は大きくなったな。二人して仲良くゴリラに見入っている。親にとっては良い写真。