軽井沢旅行備忘録。軽井沢は総じて割高で過剰集客に思える。

軽井沢旅行

  1. ハルニレテラス
  2. トンボの湯
  3. ホテルのキッズルーム
  4. 白糸の滝
  5. おもちゃ王国でソリ遊び、アスレチック城
  6. 旧軽井沢銀座散策
  7. ホテルでプール
  8. 軽井沢ショッピングセンター
  9. ツルヤスーパー

かつて、群馬県高崎市に住んでいたことがある。その頃、軽井沢に数度来た記憶がある。15年以上経って家族で旅行してみた。

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ハルニレテラスはいくつかのレストランや雑貨屋を擁した小さなショッピングモールで建物が統一されお洒落な空間。しかし春から秋にかけての観光客の多さを思うとどうなのかとは思う。オフピークの年末直前ですら村民食堂も30分以上待つ客でごった返していて、森林の中の爽やかな雰囲気をゆっくりと味わえる感じではなかった。外国人観光客が大型バスで送り込まれており、もう少し混めば忍野八海のような落ち着かなさになってしまいそうだった。

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ハルニレテラスの奥には星野温泉の「トンボの湯」という日帰り温泉施設がある。モダンで露天風呂も開放的で気持ちが良いのだが、休憩所も無い風呂だけの施設で入浴料1300円はなんとも割高感が残る。

 

翌日朝9時ごろに白糸の滝へと足を伸ばした。

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ガイドブックには必ずといっていいほど取り上げられる名所で、大型バスで観光客がやってくる。こうやって写真を撮るとそれなりに綺麗だけれども、感想としては「これだけか、案外小さいな」というものだった。華厳の滝那智の滝ほどの迫力もない。落差3m幅70mという触れ込みだが、手を上に伸ばしたぐらいの高さから水が落ちているだけなのでそこらの庭園噴水や滝の規模感でしかない。期待のし過ぎだったか。

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ここまで大袈裟に観光歩道を整備されると少し持ち上げられ過ぎのように思えてしまう。正直、遠路はるばる外国人観光客を周囲に何もないこんなへき地に誘引してしまっているならば騙してしまったような後ろめたさを感じる。鬼押出しへ向かう途中に10分程度立ち寄るスポットとしてなら許容範囲かもしれないが。

 

観光歩道手前の滝が私としては好みかもしれない。

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二日目には子供達の要望に応えて「おもちゃ王国」へ。親にとって準備に最も手間がかかったのはソリ遊び。スキーウェアやスノーブーツを持参して、追加料金30分500円を払ったソリ遊びよりも、アスレチック城という迷宮脱出アトラクションの方が楽しかったそうだ。

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ここのソリ遊びはコースがかっちりと作られており、距離も20mほどか。湯西川のスノーパークのようにもっと長いスロープ全体を自由に滑れる方が気持ちが良いし、終わりにドンとぶつかって止まるのも次男には少し嫌だったようだ。

 

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予想以上に熱中していたのが壁に部品をあれこれ嵌めて球が転がるコースを作れる玩具。

 

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大きなプレハブ建物それぞれに玩具がふんだんにあって、小学生低学年ぐらいまでなら何時間でも楽しめてしまいそう。プラレールもブロック類も軽井沢である必要はないのだがな。

 

 

旧軽井沢銀座を散策した。正直なところ、ジャム屋、蜂蜜屋、パン屋が繰り返し並んでいる観光客向け商店街で、ツルヤスーパーであらかた買ってしまった後には何も買うものがなかった。厳密に味比べをすれば、ここの店のものの方が美味しいのかもしれないが、価格差を考えると魅力に乏しく思えた。

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チャーチストリートは明るく新しい廃墟のようだった。トイレが有料100円というのもいただけない。中国人観光客に効率的に金を落とさせる為に最適化したような薄っぺらい商店街と化していた。

 

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チャーチストリートの先にある聖パウロ教会は木造の可愛らしい教会で立ち寄って目を楽しませてくれるが、チャーチストリートなんてものを作るほど持ち上げられると肩透かし。

 

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軽井沢ショッピングセンターは木更津や御殿場のアウトレットモールで買えるものとそんなに差を感じない。時間があれば、買いたいものがあれば寄っても良いかもしれないがここでなければ駄目なものはなさそうだ。冬のショッピングセンターは廊下が全て屋外で風雪が刺すように冷たかった。気温-5℃なり。

 

 

春秋にくればもっと快適かもしれないが、混雑を思うとそれを超える魅力に欠ける。避暑地としてならば山梨や長野方面に足を伸ばした方が満足度が高そうだ。軽井沢はとかく、物価が高い。諸要因あって、観光客が大勢来てくれるのだろう。総じてサービスやモノが割高で接客にも愛想がなく、淡々と客を捌くことに効率化している印象。観光地の魅力を超えて集客してしまった歪みのようなものを感じる。難しいものだな。

 

結論として、軽井沢旅行のハイライトは息子達が喜んだ「おもちゃ王国」とスーパー「ツルヤ」かもしれない。およそガイドブックで推されるような軽井沢で有名なものは今ひとつ、ワクワクしなかった。エクシブが快適だったことと、高速道路が空いていて2時間ほどしかかからなかったことが救いか。

 

子供が楽しんでくれたから良しとする。そう、親は自分自身が楽しめなくとも、子供が楽しそうに「もう一度やりたい」「僕が先」「まだ帰りたくない」「また来たい」と興奮し通しだと、子供の楽しさを親としての満足感に変換できてしまうのだよな。そういう意味で幼児連れなら軽井沢旅行も楽しい。中学生ぐらいになると、スキーでも連れて行かない限り難しいかもしれない。

 

 

冬季の「エクシブ軽井沢 パセオ」泊。部屋からの霜の降りた白樺林の静けさが魅力。

年末にエクシブ軽井沢パセオに泊まってみた。

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2012年にグランエクシブ軽井沢から拡張されて造られたパセオ棟。さらには全室スーパースイートのムセオという棟もあるらしいが私が利用することはなさそうだ。まだまだ6年では古びておらず綺麗にメンテナンスされている。

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軽井沢らしく廊下に苔に覆われた中庭と木が植わっている。この苔を青々しく維持するのは、見た目以上に地味で大変な労力がかかるのではないかと察する。

 

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ラージグレードEC Typeという和洋室の5人部屋、75㎡という広々とした部屋に泊まった。最近の高級コンドミニアムにありそうな、インテリアショップでいうとBo Conceptの家具のような嗜好。

 

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居間を中心に和室と洋室にそれぞれ分かれており、かつ洋室は重厚なドアで隔てられるので適度にプライバシーを保てるのも良い。

 

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居間とは別に洋室にも液晶テレビがあるのは、子供が居間でEテレを観ている間にも親が洋室で別の番組を観られるので都合が良い。

 

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わがままを言えば、ツインよりも間に溝ができないキングサイズベッドだと縦横無尽に寝転がれて嬉しい。

 

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朝、三連の窓から霜が降りて白く化粧された庭と白樺の木々が見られて清々しい。この景色は軽井沢らしくて素晴らしいと思う。部屋からこの眺めを確保するためにやたら廊下が長くなり複雑で移動には不便な建物配置となってしまっているが、マンションのようにするよりも良い。この眺めがエクシブ軽井沢の一番の魅力かもしれない。静かに読書をしながら午前中を過ごせたら幸せだが、子供が走り回っていると無理。

 

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利用しなかったが客室にも液晶テレビがついたバスタブがある。つまりテレビが合計3つあるわけだ。

 

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トイレは自動で便座が開く新しいものだった。近未来的で排泄物がどこか異世界へ転送されそうな感じ。時折、勝手に水が流されて少し驚かされる。我が家には外国人を泊めることが定期的にあるので、ネタとしてこういう日本らしいトイレを自宅に設置しても良かったのではないか、と時折思う。

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(ホームページより拝借)

充実のジム、プールと大浴場は追加料金が1人1000円かかるが、滞在中は何度でも利用が可能。幼児は無料。あちらこちらにモンステラやポトスの茂る内風呂も気持ちが良い。窓の外には竹が植わっている。

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(ホームページより拝借)

露天風呂は奥行き30メートルほどの雑木林を望める。その先には目隠しの壁が立ってしまっているのだが、多少は視線が抜けるだけ開放感があって心地よい。

  

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朝7時半から利用できるプールがあって家族全員で利用した。朝は日が射すとプールの底にキラキラと反射し輝く。温水プールは冬だと泳がないと体が冷える温度だった。最も浅い場所で水深110cmなので子供には注意が必要。

 

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そして幼児二人連れに一番有り難かったのがこのキッズルーム。ホテルのキッズルームの設備としては今まで泊まってきた施設の中で最も充実していたのではないだろうか。ボールプール、滑り台、クッションブロック、ダイヤブロック、絵本、民放の観られるテレビなど。

 

エクシブ軽井沢内のレストランの価格設定は他のエクシブ同様、けっこう高い。鉄板焼き、イタリアン、フレンチ、中華など各種レストランを取り揃えているが5,000円のカジュアルディナーコースを用意しているところは僅かで、他は8,000円から上は18,000円まで。ディナー1回に家族全員で3〜4万円を気兼ねなく毎回使うほど裕福ではないのだよな。

ホテル業における利益率は宿泊部門は高く、食材ロスが発生し人件費も高くなりがちな飲食部門は低いのが一般的だが、エクシブでは事前予約率の高さもあって飲食部門の収益性は高いのかもしれない。

 

外で食べたい人には、車で2、3分の距離に「きこり」という蕎麦屋や「盛盛亭」というハンバーグ屋などもある。軽井沢ならではのガーデンテラスレストランなどで食べて帰ってくるのも良いかと思う。ただし冬季は営業していない店も多い。

 

泊まったことのある関東のエクシブの中で好きな順は以下の通り。

1.箱根離宮

2.軽井沢パセオ

3.湯河原離宮

 

なぜかを考えてみると私の基準はどうやら

1.露天風呂の眺望

2.内装や調度品の好み

3.周辺施設の使い勝手

のように思う。軽井沢も温泉ではないものの露天風呂はそれなりに開放的で気持ちが良いし、日中はスキーやゴルフに出掛ける拠点としては利用価値が高いのではないか。大人のスポーツ合宿向けか。注意としてはエクシブ軽井沢パセオは敷地内の段差が多く、廊下は長く、ドアも多いので老人年寄りや車椅子利用者には全くお勧めできない。

 

もっとも最近にできた湯河原離宮は金と黒のアクが強く露悪に思えるのと、視界がすぐ目先で行き止まる露天風呂の眺望の無さが好きになれない。部屋からの眺望もないのにやたら廊下が長い建物配置も不便。次に泊まるならば、また箱根離宮か。あの遠方に山々を望む露天風呂と泉質は極楽。ふらりと近隣徒歩圏内の飲食店を利用できる便利さも良い。

 

軽井沢旅行備忘録 「ツルヤ」地場のグルメスーパー

別荘族御用達なんて触れ込みで紹介されることの多い長野の地場高級スーパー「ツルヤ」が熱い。

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ジャムなんて輸送にも便利なコンパクトで単価もそれなりに高い商品は東京の店にいけばあれこれある。私は昔、TIPTREEのジャムにはまって「ストロベリー&シャンパン」だとか「オレンジ&モルトウィスキー」なんて変わり種を試しまわった。
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その熱が再びぶり返すほどのジャム売場の充実ぶり。「りんごバター」が一番人気らしいが「シトラスマーマレード」や「ほおずき」、「ルバーブ」など、どんな味がするのか好奇心をそそる斬新なものが多い。
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定番の「りんごバター」に「市田柿」、「巨峰」ジャムを買ってみた。
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ドライフルーツも評判がよいそうなので買ってみた。
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さすが信州。キノコ売場の充実ぶりも圧巻。肉、ソーセージや野菜も充実。グランピングや仲間を集めての別荘での豪華食材ディナーで盛り上がるに違いない。

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獺祭尽くし。信州とは関係ないけれども、信州地場のグルメとヴーヴ・クリコだとか獺祭だとか馴染みのあってほしいお酒も取り揃えるのがニーズなのだろう。
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ヤッホー・ブルーイングの信州ビールもたくさん取り揃えられていて嬉しい。夜、飲んで気に入ったのが雷電。COEDOビールが身近なスーパーで買えるようになったように、もっと信州クラフトビールも普及して欲しい。

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朝食用にツルヤ謹製パンも買ってみた。沢村屋、ハルタ、一歩、フランスベーカリーなど有名人気店が犇めく軽井沢。それらには及ばなくとも案外美味しい。総じてレベルが高い。

なんだかんだ1万円以上も買っていた。生信州蕎麦、骨つきソーセージ、ビール、ストレート林檎ジュース、ジャム、雷鳥、おやきなどなど。レジを通った以上、金額に後悔しても遅い。商品開発力の賜物か。魅力的な商品があれば客は金を落とすのだな、と実感。まだまだそこらの地方の道の駅のご当地土産は力不足か。

ところで沢村屋のように東京でも買える店よりも、私ならば軽井沢にしかない店、軽井沢でしか買えないものを買いたいと思う。軽井沢で人気を博したら東京に出店する傾向は果たして正解なのだろうか。新宿駅前でいつでも買えると思うと沢村屋への興奮は生まれない。東京に出店することにより陳腐化して軽井沢での売上が落ちる事態も生じると思うのだが、それでも軽井沢ブランドであることを知ってか知らずか東京で売れるインパクトの方が総体としては大きいのだろうか。だとしたら、地方でシーズナルに売れる経済規模は都会に比べてそれだけ小さいということにもなる。埋めがたい都会と地方の経済格差があるかもしれないという話だ。

自画自賛な幼稚園児の手作りクリスマスケーキと低温真空調理のハニーマスタードチキン

妻にクリスマスディナーの買物をしてきてもらった。買物客でどこもとても混雑していたらしい。キリスト教徒でない大勢がこの同じ日に揃いも揃って普段よりも手の込んだディナーを準備する不思議。

 

Anovaで低温真空調理した鶏モモ肉の蜂蜜マスタードソース掛け。

1.鳥モモ肉400gの皮にフォークに無数に穴を開ける。

2.低温真空調理器を60℃にセットし1時間調理する。

3.蜂蜜大匙1.5匙、マスタード小匙1、レモン汁大匙1を弱火にかけて煮る。

4.フライパンで高温で1分強、調理済みの肉の皮側を焼いて焦げ目をつける。

5.肉を食べやすい大きさに切り、皿に盛った上からソースをかける。

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しっとりとしていて、肉汁に旨味が感じられて美味。低温真空調理器に感謝。子供にも食べられるようにマスタードを減らしたが、次男はそれでも辛いとのこと。こんなに美味いのに。

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マスタードが決め手だと思うので、こればかしは親の我儘を通させてもらう。

 

他に手羽先肉のオーブン焼き、リース風に盛ったサラダ、そして白米御飯。サラダは緑が隠れすぎたんだと思う。でも美味しかった。

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今年のクリスマスケーキは次男も参加して飾り付けをした。ピンクがご所望だったので、クリームに食紅を入れてみた。苺クリームだね、と言われてそうだと嘘をついた。許せ。

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内側には柔らかい生クリームを塗った上に子供達がこれでもかというほどに苺、キウイ、バナナ、ブルーベリーを挟み込んだ。

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さらにスポンジを重ねて、生クリームを塗り重ねる。外側は固めの生クリームを使った。6号のサイズのスポンジに200ml入りの生クリーム3個使ったので、生クリームだけで1000円もかかったことになる。

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上部にも生クリームを塗った後、子供達に苺を置いてもらった。2人が好きなように乗せていくので対称性がなく偏りがある。まあ、それもよし。なかなか派手に苺を載せてくれた。

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せっかくなので食紅濃度を高くしたクリームを絞って側面を2段にして飾り付けてみた。

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絞りが小さい。もっと大きな絞りで盛り付けたほうが花のようになるはず。それでもって、妻にウェディングケーキか何かっぽいと言われてクリスマスケーキから乖離してしまったことに気付いた。来年はもっとクリスマスらしくしよう。

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見た目はともかく、家で作るケーキはとても美味しい。ケーキ屋から買って食べるケーキよりも美味しいと思える。妻の推論としては店では長時間持たせる為にホイップやら混ぜて工夫しなければいかないが、自宅ならば食べる数時間前に生クリーム100%で作れること、果物をふんだんに使っていること、間違っても冷凍などしていないこと。砂糖の量を自分の好みに調節できることもある。そして何より、子供が作ってくれたという愛着かね。

 

昨年、ストラスブールで買った木のキャンドルスタンドに火を灯した。

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 子供達はハッピーバースデーを歌い始めたが、まあ、あながち間違ってはいない。その後、最近覚えた「十二支の始まり」の歌を歌ってくれて、勢いよく蝋燭の火を消した。

 

独身の頃はクリスマスなんてキリスト教徒でもないのに、などと思っていた。今では子供が喜ぶならばどうでもよい。一緒に晩餐を用意して家族団欒を楽しむ日で構わないではないか。

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キラキラと輝くクリスマスツリーの株元を、LEDキャンドルを貨物に載せたプラレール電車が走る。

 

夜、サンタさんが来たことに気づいたら、起こして教えてくれ、だそうだ。今年は誰がサンタさんなんだろう、とも言っていた。どういう仕組みとして理解しているのだろうか。

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息子の版画。陽を背に、父と母と兄と弟がみんなで一列に仲良く手を繋いでいる。胴が長いところも足が短いところもよく描けている。左下にいるのはマンゴー殿だそうだ。鉢のようなものの中に描かれているのはメダカだそうだ。良かったな、メダカ達よ。

 

年末年始、怒涛の16連休なので何をするか考えた

年末年始は16連休となった。普通ならば大喜びしそうなものだが、私の意識に上がったのは「去年より少ないじゃないか」という欲深い不満だった。

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「去年よりも連休が減ったと思うか、16日も連休があると思うか」。それは「馬が大きいのか、ガンダムが小さいのか」の問いと似ているようで違う。この組み合わせではガンダムが小さいほうが妥当性があるし、ガンダムと馬を組み合わせてはいけない。これではまるでVIOLENCEなSOAPだ。

 

しょうもないもんだな。比較や対比をせずにそのものを享受できるようになりたいもんだ。

 

さて本題。16連休には何をしようかね。

  • 了。クリスマスケーキを子供達と作る。色素で色をつけてみたい。
  • 了。クリスマスディナーは手羽先と低温真空調理の鶏モモ肉とクリスマスリースサラダを作る。
  • 2日に1回はジョギング。もう1kg絞る。
  • 了。子供達と全力でプラレールで遊ぶ。
  • 了。軽井沢に2泊。おもちゃ王国、白糸の滝、温泉、アウトレット。
  • 了。実家に帰省。実家、従兄弟にお土産。
  • 了。家族で初詣。阿佐ヶ谷神明宮に行き金の小槌御朱印をいただきたい。
  • SUITSを観る。シーズン3以降、本気のLITTが実は一番カッコいい。
  • 了。映画「アリースタア誕生」を観る。
  • 8冊了。本を読む。大量に買い込んだ10冊。仕事の本6、仕事に関係ない本は「スマホを落としただけなのに」「ユートピア」「ソルト ファット&シュガー」 「昭和史」など。
  • 了。陶芸。狗頭陶仏を造る。さらに時間があれば猛犬注意の看板を作る。
  • 了。年末の大掃除。実際の規模は小掃除。
  • 了。おもちゃを写真に撮ってから整理断捨離。
  • 了。幼稚園で作った工作や絵を写真に撮ってから整理断捨離。
  • 了。椅子を買う。
  • 了。家系樹を壁に作る。
  • 了。板絵を表に返して観られるようにする。
  • 服の断捨離。同じ型の服を何枚も買う。もう、私服はジョブズ方式で良いように思う。
  • 自分の寸法にあったスーツを作る。まあ、これはつまらないから休暇中にはやらない気がする。

詰め込みすぎた。考えなければいけないことから逃げたいのかもしれない。

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山谷ドヤ街の今

 

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東京の東北方向、南千住駅からスカイツリー方向に少しばかり歩くと山谷と呼ばれた一画がある。

 

戦後に復員したものの家族も家もなく駅や地下道で雨を凌いでいた人達を米軍払い下げのテントに収容した今で言う災害テント村が山谷形成の背景だそうだ。そこに寝泊まりする人達を労働力のアテにして手配師が集まり、仕事を求めてさらに人も集まり。。。名前でしか知らなかった山谷に平日の夜、訳あって泊まりに来た。

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日雇い労働者の街が形成され、今でも130件近くの安宿が高密度に集まっている。

 

病に倒れた者、怪我をした者は保険もなく治療も受けられず、収入も途絶え、無念のままに亡くなる。そんな暗い記憶が染み込んだ街でもあるらしい。綺麗な大都市として知られる東京も昔から今のようだったわけではなく、人知れず街の復興や経済発展の礎となって消えていった人達がいるわけだ。

 

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2018年の今でも一泊素泊まり3畳間で1700円、4.5畳で1900円。ここはとりわけ安い。周辺の相場は2200円でこれは生活保護の1日の支払い上限額が基準となっている。

 

とても切り詰めれば1日500円の食費でも暮らせる。栄養バランスを無視すればご飯と卵と根菜類で200円に抑えることもできる。しかし保証人もないその日暮らしの宿泊費の最低価格は1700円。生きていく上で温かく、雨露をしのげる住まいが最も高価だということか。

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 見渡す限り、だいたいは2200円で木造だけでなく鉄筋コンクリート作りの安宿も多い。1人部屋が鉄筋コンクリートの壁で仕切られている、なおかつ部屋数がそれなりに多い宿というのは案外、珍しいのではないだろうか。隣の生活音を気にせずに寝られるのは嬉しい。

 

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現在の山谷は生活保護者や日雇い労働者向けが9割、観光客向けが1割。日雇い労働者向けは長期滞在を専門にしていて1泊だけの客を止めている宿は少なく、外国人を受け入れている宿はさらに少ない。

 

生活保護者向けの宿の前でうろうろしていると、爺様があちらの宿に聞いたら泊めてくれるぞ、と親切に声を掛けてくださった。いくつか空室があって泊まっても良いと言ってくださった宿はあったが少しばかり冷やかしのような後ろめたさを感じて観光客向けの宿に移った。 

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 こちらはカンガルーホテルというゲストハウスの別館。まだ築4年も経っていない新しいゲストハウスだ。1人部屋1室3500円。コインランドリーも風呂もシャワーもある。

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 全体的にモノトーンでとてもシンプルなデザイン。

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 部屋は洋風ベッドに液晶テレビ、エアコン。床はなんとか小ぶりなスーツケースならば開けそうなスペースがある。寝具は清潔で、何よりも壁が厚く隣の部屋のテレビの音も廊下では聞こえるが、室内に入るともう聞こえない。

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 日韓ワールドカップの頃、「ヤマ王」と呼ばれた山谷の実力者であった帰山氏の孫がバックパッカーをしてたとかで、ドヤ街の宿を外国人観光客向けに転換したのがドヤ街の観光客路線の始まりだそうだ。現在、感覚的には10〜15件の宿が外国人観光客向けに営業している。

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 築浅のお洒落な外国人観光客向けの宿もあれば、生活保護者向けの木賃宿もある。それらが同地域に入り乱れているのが不思議な街並みを作り出している。この東洋館もリフォームしたら風格のある姿に蘇りそうだ。

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救急車が駆けつけてきた。寒さも厳しくなると体調を崩す高齢者の方もいるのだろう。

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 酒に酔って口論になっている人もいる。

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外国人観光客が今後も増えていくと思う。山谷の安宿に住む生活者も高齢化で毎年減り続けている。もっと観光客向けに転換しても良いのかもしれないが、生活者の最期のセーフティーネットとして彼らを見守ってくれる砦でもある。外国人観光客相手にしたほうが儲かろうとも、この宿を閉めたらあの人達はどうなるのか。宿の主人はそれぞれの価値観や信念をもって経営されており、一様ではない。

 

私が受付から話を聞いている間に、そこの住人と思しき男性が帰ってきた。受付のおばちゃんが「体調は良くなった?今日はどうだったの?」と気遣っていた。温かい。頭が下がる思いだ。

 

外国人観光客も一般のドヤ街の安宿に泊まれないわけではないらしい。だがやめておけ、オススメしない、と助言された。けして「おもてなし」はうけられないし、万が一、夜遅くに騒いで日雇いの人を怒らせたら嫌な思いしかしないだろうと。そりゃそうだ。

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朝、起きて宿から三ノ輪まで歩く。途中に等身大の人形が立っていた。変な髪型だ。気の良さそうな兄ちゃんは誰なのだろう。

 

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正面に回ると私でもわかった。矢吹さんとこのジョー、真正面から見ると別人だな。そういえば、私は未だかつて「明日のジョー」を読んだことがない。

 

山谷は美空ひばりの出身地でもあり、美空ひばりの両親は山谷で石炭商をしていたらしい。 

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さらに歩いていくと、吉原公園に出くわした。あの、吉原はここにあったのか。公園自体は見晴らしも良く、開けている。人影はなかった。

 

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 かつては廓街の大門があった場所もマンションが建ち面影はない。

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 お歯黒ドブの石垣。ほぼ正方形の吉原遊廓から遊女が逃げ出さないように「お歯黒どぶ」と呼ばれた掘りが周囲をめぐらしており、その名残の石垣だそうだ。説明板も何もなく、誰かが教えてくれないと素通りしてしまいそうになる。

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現代にあっても遊郭のような角えび本舗。ボクシングジムと宝石とソープ、何が本業なのか、何が一番儲かっているのだろうか。

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入浴料が高い。これがソープというやつか。入場料でもサービス料でもなく入浴料というらしい。考えようによっては普通の整体マッサージも10分1000円なんてところも多いから、この入浴料が高いともいえない。現代の合法遊郭であって、強制されていないのだから、自分でこの仕事を選んでやっているのだろう、と言われるのもある意味、はるかに酷だ。

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 モダンアート。看板の枚数だけコンパニオンを募集しているというわけではないだろうね。どの業界も人不足なのか、看板が新しい。

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夜になると、また雰囲気は変わるのだろう。VIOLENCE SOAPという副題のついた店があってなんだか可笑しくなってしまった。VIOLENCEとSOAPという単語はなかなか組み合わせて使われることはないはず。

 

 

珍しく、東京という街が奥深いと思った。 表参道や代官山、あるいはミッドタウンのようなキラキラとした街はどこも似たり寄ったりに思える。小津安二郎の映画や、「吉原炎上」なんて東映映画を観て東京の昔を想像してみるのも興味深いかもしれない。東京も混沌として猥雑で必ずしも清潔な街ではなく、そういう点ではムンバイとも中国の2級、3級都市と変わらない。今は昔からキレイな街でございました、と言いたげな澄まし顔だけれども。

 

もっとも美しい紅葉は何か パラドックス

庭から取ってきた4枚の紅葉がある。左から青柳、伊呂波、伊呂波、乙女桜。もっとも色が紅く鮮やかで綺麗なのは一番右の乙女桜。

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葉先も枯れておらず、全体的に瑞々しい、濃い色をしている。

 

でも、実はこいつだけ新葉なのだ。他の葉は枯れる前の反応で紅葉しているのに対し、一番右の乙女桜は芽吹く時に最も強い紅色を出す。今年は夏の暑さで葉を落とし、秋からまた芽吹いた季節狂いの葉。

 

そう、最も美しい紅葉は紅く芽吹く品種による春の紅葉なのだ。「乙女桜」による紅葉林を作ったら誰もがはっと息を奪われるに違いない。なぜ春先に、こんなにも鮮烈な紅い紅葉が見られるのかと。