像
この形を轆轤で挽きたい。 やはり多肉植物には原始的で力強い縄文式土器は似合うと思うのだよな。 耳はこうなっているのか。三角状になっていて素焼きで紐を通して吊り下げても壊れないように強度が出ている。 この卵型も多肉植物を合わせてみたい造形。 シ…
巨大なナーガ像やリンガなど石像が林立するギメ東洋美術館。そういえばインドシナはフランス領だったと思い出させる展示の数々。 アンコールトムを彷彿とさせる巨大な顔。 その裏は鉄柱で支えられていてハリボテ状態。石造りの塔の表面を覆うように彫り込ま…
ポンピドゥーセンターが全くの肩透かしで消化不良の気分だったのでギメ東洋美術館をハシゴした。実業家でもあり東洋美術収集家エミール・ギメのコレクションを母体にルーブル美術館の東洋美術部門が統合された国立東洋美術館。実態はルーブル美術館の東洋美…
毎年恒例のフランス出張。フランスと言えば私のなかでは敬愛する変態サブカル愛好者に溢れた国なのだが、観光大国のフランスにいざ行っても表面に幾層も覆うキラキラとした観光資源に触れられるだけで、私の趣味関心に突き刺さるものが何処にあるのか未だに…
陶芸始め。先生が今年の干支の盃を持ってきてくださっていた。 写真ではわからないが、この盃はとても薄く均一な厚みで作られており、基礎的な技術力の差を嫌という程、思い知らせてくれる。陶器は厚ぼったくて重いから繊細で薄く硬い磁器が良い、なんていう…
型取りする原型は豆鹿の頭蓋骨の写し。形状がそんなに高度で芸術的な仕上がりかと言われると照れるが、全く同じ寸法で複数作れるのが今回は価値があるのだと思う。うまく作れれば150回以上は使えるらしい。 1.底と縦に粘土で壁を作る。粘土は道具土や再生土…
莫干山路50号で度肝を抜かれたのがこちら。主役級の存在感があるのに勿体ないことに人通りの少ない路地裏にあった。 巨大な広く浅く張った根の塊。本来は幹が伸びていたであろう中心部には龍が彫られている。なんとスケールの大きな中華の大陸的作品か。 根…
久しぶりに訪れた東高円寺駅前の古美術商カフェバー「ブルーキャスケット」。店名の意味は青い棺。 名物というか看板は、青い棺に入った妖しく美しい球体関節人形。清水真里さんという、その筋では有名な作家さんによるものだそうで熱烈なファンも多いという…
もう一つ作った焼締の鹿鉢。こちらは臥せている。尻に大きな穴が開いていて、そこにはセダム属の「カメレオン」を植えた。季節や水加減で葉色が変わることから名付けられたらしい。 四尾の鹿っということになるのか。もう少し穴を尻方向に広げても良かったか…
この1年間で作れた陶器鉢は少ないけれど、この鹿が一番満足度は高い。このぐらいの出来栄えのものを安定的に作れるようになりたい。なれるはず。 「銀月」を背中に植え込んでみた。下葉が落ちて茎が見えるようになると、蓮座の形も見えるようになると思うが…
オルセーは駅舎に留めるには美麗過ぎたのだろう。 かつてここに鐵道路線が引き込まれていたとは想像し難い。 オルセー美術館内にはカフェやレストランがあって席からは巨大な時計越しに外を見ることができる。ちょうど泊まっているモンマルトルのサクレクー…
私が作陶に使っている同じ素材で、物理的には似たようなものが作れるはずなのだよな。 大理石をコツコツと削り出した像ではない。こねて、つけて、削って作ったテラコッタだ。 焼締の塑像の可能性は膨大に広がっているはずなのだけれども、全く技能がないの…
強烈な刺すような視線。この絵に憑いていると聞いても驚かない。観られるための絵というより、絵の側が人々を見据えている。 ゴッホの近くにはゴーギャン。サマーセット・モームの「月と6ペンス」の世界観の記憶が蘇る。楽園の牧歌的な絵もどれも、情熱的で…
白 瑠璃 緑青 泥朱
昔、ブルーノ・タウトという有名なドイツの建築家がいた。彼は桂離宮の侘び寂びの抑制された美に「ここに繰りひろげられている美は理解を絶する美、 即ち偉大な芸術のもつ美である、 すぐれた芸術作品に接するとき、 涙はおのずから眼に溢れる。」と最大限の…
次回の為に覚えておこう、とその時点では思い立ったものの覚え出せないことが増えてきた。 備忘録をつけておこう。 雑感 意識上で認識し判断するコンマ数秒ほど前に脳は物理的に反応し結論を既に下している。 基礎代謝が一層、落ちて来た。筋力増強と摂取カ…
子供を親に預かってもらい夫婦水入らずで年末の昼餐を、かねてから行ってみたかった北浦和の「二木屋」でいただく。せっかくなので子連れではいけない店へ行きたかった。 自由民主党の初代厚生大臣だった小林英三氏の邸宅を改装したレストラン。小林家は毛利…
仕事の関係で丸の内に行く機会があり、1時間ほど空き時間が生まれたのでかねてより行きたかったキッテという商業ビルとその中のインターメディアテクという美術館に足を運んだ。 インターメディアテクは東京大学収蔵品が展示されたなんと無料の美術館。 お抱…
仕事の合間に数時間ほど暇ができたので、上野の東京藝術大学の学園祭を駆け足で覗いてきた。 セネシオさんというたまにコメントを下さる方が以前、勧めて下さってかねてより見たいと思って半年以上前からカレンダーにメモしていた。 1年生による創作造形神…
八幡宮から東へさらに進んでいく。面倒ならばバスで鎌倉駅前から杉本観音前まで行くと楽だ。ここまでくると観光客は一気に少なくなる。 さすが、鎌倉三十三箇所、坂東三十三箇所、双方の第一番の札所だけあって風格がある。伝創建734年なので1200年近くにも…
小さな寺が多いがここは広く静か妙法寺と続けて寺巡りに良い石仏と蓮が見どころ 杉並区で第三の広さを誇る寺院なのだそうだ。延宝元年(1673年)に三井高利が江戸・日本橋において創業した越後屋の菩提寺になっており、俗に「三井寺」とも呼ばれているとか呼ぼ…
アジャンタの広い石窟だけでも驚いていた。それがエローラになると規模が飛躍的に拡大する。 アジャンタの開窟に携わっていた夥しい石工がアジャンタ放棄の後にはエローラの開窟に回ったという。エローラの印象はわかりやすい規模の拡大。その巨大さで信者、…
ムンバイから飛行機でアウランガーバードまて1時間。さらに街から車で2時間の距離にアジャンタ石窟はある。川に削り取られた湾曲した岩壁に30近くもの石窟が並ぶ。雨季も修行の日々を送れるように岩を削り出して作ったのだそうだ。 目と鼻の先にある滝壺か…
ストラスブールで巨大な天文時計に出逢った。大聖堂の中に18mの高さで聳える。 現在のものは三代目で1842年に完成したものだそうだが、閏年や分点だけでなく復活祭の日(「3月21日当日あるいはそれ以降の最初の暦上の満月を過ぎたあとの最初の日曜日)を計算…
日本の近代化の時代に東武鉄道で興し、大富豪となった根津氏が収集した美術工芸品。 大層値打ちのありそうなものが並んでいるな、という印象。 期待をよく裏切って愉しませてくれたのが起伏に富んだ広大な日本庭園。あちらこちらに石塔や石仏、石像が景色の…
一ヶ月ぶりの陶芸。素焼きに出していた偶蹄類鉢が焼き上がっていた。陶芸仲間は鹿と呼んでくれるので鹿だということにしようか。耳は赤土の地が出ており、目鼻は黒土、体は信楽白土が塗られている。 頭頂には二つの穴。ここに直根性の多肉植物を植えるつも…
彫刻の森美術館へ。 初夏の緑は眩しく、屋外の彫刻を鑑賞して廻るのは気持ちが良い。 散策する中で、とりわけ緑の濃い一角で美しいものを見つけた。最近は都心では見かけなくなった。こんなところで出会えるとは。 自然の造形は素晴らしい。こういう美しい…
崇神天皇7年(紀元前91年)の創建とされ、天平8年(736年)に行基が蔵王権現を勧請したといわれる。 お犬様信仰の聖地でもあったことから小さな宮にも狛犬が置かれている。厳密には大口真神は犬ではなく狼。境内の像はどれが狛犬でどれが狛狼か定かではない…
北村西望さんの彫刻には心動かされるものがあった。 ディフォルメされた作風のものも多いが、写実的な作品も多い。 この加藤清正公の像など、勇ましくて惚れ惚れする。鎧兜の再現性も高く存在感がある。立ち姿が清々しい。何気に腰に手を当て、腰を入れての…
井の頭公園の中にある北村西望の銅像。畏怖を感じさせる鬼が何かを投擲せんとする瞬間を切り取っている。鬼にはカッコ良さや親しみやすさはなく、理解し得ない、対話もできない、制御もできない何かを思わせる。緑溢れる公園の中でこの作品だけ異質だった。 …