思索

石巻 再訪 東日本大震災津波伝承館と震災遺構

奥州平泉では藤原家四代の栄華よりもそれが滅びた跡の寂しさを強く感じたし、石巻といえば東日本大震災で津波からの被害を最も被った地だ。廃鶏を潰して「命をいただく」食育のイベントも目の前で野生の命を奪う鹿猟もあった。今回の東北の旅は死にまつわる…

廃鶏を屠殺して命をいただく。負荷の不可視化を考える。

石巻で食育のイベントに参加させてもらった。 玉子を産む数が減ってきた鶏は生産性の低下を理由に廃棄され若い雌に入れ替えられる。「玉子を産まないメスに価値は無い」と声に出すこともなく黙々と処分される。 鶏たちは狭い鶏舎に歩くこともままならない空…

花の散るらむ

40代になり、ぼんやりと終わりが見えて来た気がする。定年を迎えた上司やそれに近い人たちを見て、新入社員よりも私はそちら側にいると自覚し始めた。ああ、ああやって勤め人を終えるのだな、と。 何のためにスキルアップするのか。スキルアップが目的化して…

最近笑えたパワーフレーズ

非友好国にはルーブル払い

ウクライナ友人の無事をせつに願う

キエフと記憶していたウクライナの首都名が最近では新聞などでキーウと表記されている。ロシア語読みのキエフではなくウクライナ語読みのキーウで呼ぶべきとの配慮らしい。 かつて20歳前後の私はルーマニアで働いており、ハンガリー、スロバキア、ポーランド…

専門性を磨けずにきたことを自覚するから大型書店に息が詰まるようになってきた

大きな本屋に行くと昔は心が躍った。ありとあらゆる分野、方向性に向かって専門性が枝葉を伸ばし、進化し続けていることが感じられたし世の中の飽きることのない広がりを感じられた。本屋は知識や技能を得る場所だった。 ここ最近、本屋に行って専門書の棚が…

励まされる名言

「人生、死んでしまいたいときには下を見ろ、俺がいる。ずっとずうっと、下の下のほうに」 日本の伝説的な映画監督の言葉だそうだ。 9年前、子供が産まれた後にベトナム出張で買って帰った龍の縫いぐるみ。長いこと存在を忘れていたものが押入れを整理したら…

クソな時代を生きていく為のスキル

GAFAだのVUCAだの頭文字を繋げた造語の好きなアメリカ。CRAPというのもあるらしい。ちなみに私はFIREがしたい。Financial Independence, Retire Earlyの略で経済的自立による早期リタイアだ。 CRAP=クソな時代を生き抜くスキル Creativity = 想像力 Resilien…

岡本太郎記念館

おそらく、最も敬愛し尊敬している芸術家の1人が岡本太郎。その記念館に今まで足が向かわなかったが、ふと行く気になった。岡本太郎が幼少期から過ごした旧家跡地であり、戦災で消失後は40年以上住むことになったアトリエを建てた地。 岡本太郎は小柄な人で…

2022年の抱負。やりたいことは老後までとっておかないことにした

達成率の低い、欲望過多の毎年恒例の新年の抱負を懲りずに書く。 なんだか、やりたいことをやらないまま人生は終わりそうな気がした。定年後に楽しみを取っておいても、あれこれを楽しめる素地がなければ案外60歳過ぎになっていざ初めて取り組んでも、夢想し…

ブログの意義と人とのつながり

私はこのブログは顔も名前も素性も隠して、自分の興味のあることを一方的に書いている。仕事に関することは書かないようにしている。 元々はフィリピン駐在中に私の勤めるオフィスで私はフィリピン人200人強の中ではただ1人の日本人状態で妻が数ヶ月後に来て…

村おこしが目覚ましい小菅村

今回泊まった竪穴式住居のあるキャンプ場のある山梨県小菅村は実は以前から注目していて来たかった村でもある。 本格的フィンランド式サウナの後に水風呂がわりに川に飛び込める 温泉で温まった後に快適に漫画を何時間も読んで過ごせる 研ぎ澄まされた洗練さ…

「豊かさ」とは「自由の拡大」である

久恒 啓一さんという大学教授が豊かさとは何かを独自の解釈を示されていた。「豊かさ」とは「自由の拡大」であると。人生とは、肉体的自由(カラダ)を土台に、経済的自由(カネ)と時間的自由(ヒマ)を得て、最終的に精神的自由(ココロ)を求める旅である…

R座読書館と岡本太郎の見透かし

久しぶりに来ると改めていいなと思うR座読書館。高円寺にある私語禁止の静かに一人で過ごすカフェ。この珈琲カップとソーサーは初めて見た。ざっくり作られているようで、肉厚で安定感もある。いいな、これ。日本酒を飲むのにも使えそう。そもそも、ワイング…

自己分析-心理学「補償の防衛機制」

「補償の防衛機制」。心理学用語。何かがうまくいっていない劣等感や不快感を他の何かで補うことによって自我の崩壊を防ごうとする防衛心理。たぶん、人生において今のところ私は仕事に失敗しているとまでは言わないが成功はしていない。自分の仕事キャリア…

夜と霧

第二次世界大戦で絶滅収容所に送られるも生き延びたユダヤ人心理学者ヴィクトル・E・フランクルの体験記。 特徴としてはその他多くの収容所体験の回顧録と違い、収容所送りにされた時、収容所生活、終戦に伴う開放時の自分自身や周囲の人の心理分析や考察を…

思い出の30年前のキャンプグッズ

週末のキャンプに向けて実家から要らないと待たされたあれこれを見ていたら使えそうな飯盒を見つけた。晩御飯に米を炊いて、朝食は焼きおにぎりかな。こんなのも見つけた。クッカー。もう30年ぐらい経って錆が湧いていて、そのまま調理に使うのは躊躇われる…

惰性エントリー わくわくする新しい試みが必要

書くことがない。たまに過去5年前、10年前に自分が書いたことを見返すことがあるのだが昔のほうが今よりもあれこれ考えていたように思うことも多い。 年を重ね、経験を積み、色々なことに対する既視感が増え、多少の困難もこうなるだろう、落としどころはこ…

「竜とそばかすの姫」と実名で何かを表現することについて

子供達を連れて朝8時の回で細田守監督の「竜とそばかすの姫」を観てきた。この映画の中身に対して事前情報が無かった。単にカンヌで上映され14分間のスタンディングオーべーションが起きたというニュースを見て、子供を家から連れ出して外で時間を潰さないと…

スコセッシによる遠藤周作「沈黙」

キリスト教は火縄銃と共に日本にもたらされたというのが象徴的に思える。厄災とより大きな厄災か、厄災と希望だったのか。 映画で提起される問いのひとつ。なぜ多くの国でキリスト教は迫害を受けながらも普及したのに対して日本では根付かなかったのか。 日…

社員は家族か

どこかでそんな記事を見かけた。 コロナ禍で全社メールで「みなさん社員は家族です」みたいな内容のものが送られてくることがある。コロナ禍の大変な時代にあって連帯を促し鼓舞しようという意図だろう。 社員は家族なのか。そんなわけなかろう。 家族に評価…

親になって思うこと。親に生んでもらったことへの感謝はない。子からも望まない。

親になって思うこと。 親に産んでもらったことに対してありがとうと思ったことはない。私がこれまで道を誤らず、大抵の困難は乗り越えられる力を得る環境を与えてくれた。世間の平均以上は与えてくれたと思う。私の親は私に対してすべきことをきちんと果たし…

「余計な良いもの」考。視線の抜けの効果を学ばせてくれた露天風呂の改悪。「エクシブ箱根離宮」

エクシブ箱根離宮宿泊備忘 向かいの山まで眺望の広がる露天風呂の魅力が紅葉の木とライトアップで台無しになっていた。改悪から「視線の抜け」の効果の絶大さを知る。 単体として良品だが全体構成として不要なものを取り除くのは難しい。 元富士屋ホテルフレ…

思索。適度な諦観は「成熟」に思えてしまう。

自分の周囲の物事が正常に機能して当然だと期待をしすぎると不満が溜まる。電車が時間通りに来たら流石だな、と感心するぐらいでいるのが良いのだろう。残念ながら世の中には天才的で万能な人はそうはおらず、福島原発はお手上げで汚染水は流さざるを得ない…

スマホ脳、スマホ認知症の危険。スマホを閉じて感受性を開く。

最高に気持ちの良い晴天が続く。春の黄砂で霞む空ではなく、すかっと青い空。そして温かく湿度も低い。最高だ。そんな行楽日和だというのに長期連休は緊急事態宣言発令で台無しになった。遠出はできなくとも、朝晩の散歩を楽しみたい。窓辺の朝日を逆光にし…

コロナで市井の人心が荒んでいるのだろうか

緑道の花壇の花を取る人がいる。前からいたし、これを見るのは初めてではない。 高円寺に引っ越してばかりのころ、京都から連れてきた樹齢10年は経っていたと思われる「臥牛」の大株を根こそぎもっていかれた。 植木鉢もいくつか持っていかれた。いくつかは…

コロナ孤独 桜が散れば紅葉が芽吹く

我が家の紅葉は今年も予定調和的に美しい姿を見せてくれる。爪紅特性のある京都の南禅寺、清水寺、大徳寺などから採取した実生の伊呂波紅葉。最近、友人と全く会っていない。会社の同僚とも飲みに行っていない。社交性が押さえつけられた時期が続くと侘しく…

老化について、何者にもなれなかったことについて

昨年秋頃、動悸がして、息苦しく、気落ちして、やたら不安に駆られ、頭が真っ白になる瞬間もあり、長く寝ることができずに朝の5時や6時に起きてしまうことが増え、もしかしたら鬱への入口なのではないかと疑っていた。あれ、自分ヤバいかもな、と。客観的に…

2021年の抱負

「しぶとく耐える一年」今年はどうなるのだろうか全く予想が立ちにくい。 ワクチン接種の時期や優先順位で社会は荒れるのだろうか。 オリンピックは開催され、家族で観戦しにいけるのだろうか。 自宅の快適性向上、子供と一緒に過ごす時間が引き続き工夫のし…

2020年の総括

2020年は多くの人にとって忘れられない年になったのだろうな。コロナによる緊急事態宣言、休校、在宅勤務、不況の嵐。年初の抱負や予定は大いに狂った一年だけれども、様々な新しいことに向き合った一年でもあった。 旅行や人付き合いなど全くできなくなった…