完璧な「杜若」に「透かし羽」

菖蒲かと思いきや、乾いた庭影に杜若。一輪だけだけれども場を支配しているような存在感だった。 説明し難いが、完璧に思えた。花弁の色艶も張りもこの日のこの瞬間が最盛期に思えた。写真に撮ると陳腐に映るものだか、写真に撮っても何か違うように思える。…

山椒に揚羽蝶

今年も庭の山椒に揚羽蝶がやってきた。しきりに腹を山椒の葉や枝に擦り付けている。こいつはこの山椒で育った蝶だろうか、そこらから惹かれてやってきたのか。 小さくまん丸な卵が一つ。今日1日でいくつ産み付けるのだろうか。 こちらは2齢か3齢幼虫ぐらい…

上海で得た陶芸作品の着想

双頭の山羊鉢。殷の青銅器様式で腹にたっぷりと土が入る形状だ。ゴーラムを植えるに最適な大作になりそうだ。釉薬はマンガン結晶釉薬で渋く落ち着いた感じにしよう。 陶片を繋ぎ合わせて再生されたトルソー。染付にも手を出したい。磁器ではなく、あくまで白…

冬虫夏草 団子虫鉢

陶芸初め。えいやっと一気に造った、団子虫を苗床に育つ冬虫夏草を模した植木鉢。団子虫は虫ではなく甲殻類だし冬虫夏草は寄生しないとか、そういう不都合な事実には目を瞑る。冬虫夏草の「異質な生物個体が生を引き継いでいく」象徴的な姿に言葉にならない…

次作 多肉植物鉢の構想

兜虫の胸から頭だけが虫に食われることもなく残されていた。 まじまじと見るのは初めてかもしれない。 眼を防護するように目尻に突起があるとは知らなかった。 ツノも頭も凸凹としてマットなのに脚の第一脛だけツルツルテカテカとしていることも知らなかった…

撮り下ろしセミヌードをゲットだぜの巻

高円寺の蚕糸の森公園を抜けて家に帰ろうとしたら、公園の中はポケモンGOをする人で賑わっていた。拡張現実の世界を愉しんでいる人達は目の前の細部を殆ど見ていないのかもしれない。なんと幸運なことにセミヌード現場に遭遇。でも誰も気にも止めない。 こん…

紅い単眼

薄暗闇から光る紅い眼。 ファンタジー要素に溢れた魔界の生き物のようだ。左右の複眼の間、額に開いた眼というのもそれらしい設定だ。 三個の単眼のうち下の一つで身体の縦揺れを、上の二つで横の揺れを感知して飛行時の姿勢制御をしているのだそうだ。また…

彫刻の森で見つけた自然の造形美

彫刻の森美術館へ。 初夏の緑は眩しく、屋外の彫刻を鑑賞して廻るのは気持ちが良い。 散策する中で、とりわけ緑の濃い一角で美しいものを見つけた。最近は都心では見かけなくなった。こんなところで出会えるとは。 自然の造形は素晴らしい。こういう美しい…

紋黄揚羽

山椒の若芽を食害しまくっとる輩がいた。 背中の黒い紋様、明るい黄緑色と顔の形から判断するにモンキアゲハの終齢幼虫か。 終齢幼虫の食欲は旺盛だ。山椒を丸裸にしてしまう。これはかなわんと、少し先にあるもっと大きな山椒の木に引越しして頂いた。そこ…

冬虫夏草鉢 X 老楽

理解されることは諦めている。 でも趣味なんて自己満足の世界。鉢への植え込みが終わった。 背中の外殻の隙間の白も全身まで菌が入り込んだ様子が出せているのではないだろうか。背中の蝉のハラワタの繊維の感じも良い。そして何よりも綿毛を纏った仙人掌の…

冬虫夏草鉢の釉掛けと本焼き窯入れ

素焼きが終わっていた。灰色だった見た目の赤土は素焼きになってようやく赤くなった。信楽白土はなんだか黄色い。 さて、蝉の幼虫の目玉だけをやすりがけし、さらに細かなバリを取る。 菌糸部分の白土に白マット釉を筆塗りし、さらに撥水剤で保護する。 そこ…

冬虫夏草鉢の制作

着々と気持ちの悪い植木鉢が出来つつある。冬虫夏草のセミタケに着想を得た植木鉢。陶虫夏草。前回は団子虫を作った。ツノゼミ、百足、蜂などシリーズ化したい。 蝉の抜け殻の実物を見ながら造形したかったが、あいにく冬では見つからない。写真を参考にして…

青虫

あんた、もう11月ですぜ。寝坊しちまったのかい。 今から蝶になってどうなさる。咲いてる花もないし。 黄揚羽蝶の五齢幼虫だと思われる。たぶん蛹になって越冬するのだろう。蛹はマイナス196℃まで耐えられるらしい。近隣種の普通の揚羽蝶には耐寒性は殆どな…

夏の終わり

蝉がもう、半狂乱のような鳴き方をしている。先週はもう飛ぶ力を失った蝉を地面の上に幾匹も見つけたが、今週は蝉の翅だけやら胴体の一部やらを見つけることも多い。網戸に捕まるお前は無事伴侶と添い遂げられたのか。ベランダの床に力無く躓くそちらさんは…

ひさびさに見たマダニ

マンゴーの鼻先に変な丸い塊が毛に絡まっているのを見つけた。 息子が食卓からこぼした挽肉の塊でも食べようとがっついて、誤って鼻先につけてしまったまま取れなくなったのか。 取ろうとして、凍りついた。心臓に悪い瞬間。挽肉の固まりは血を限界まで吸っ…

椿

冬も常緑で日陰でも花を咲かす。そこに昔の人は特別な意味を見出したらしい。 Camellia Japonica。茶人には椿を好む人が多いらしいが、いまいち椿の良さがわからずにいる。強いて言うならば猪口咲き一輪の簡素な奴が好きだが、日陰にあるイメージと光沢のあ…

冬虫夏草 団子蟲風鉢

もう季節は秋。食欲の秋といまさら言わなくても通年で食べ過ぎなので、食欲よりも芸術の秋を志向しようかと思う。 しかし芸術的とは何だろう。創造的であることか。創造的とは何だろう。世に出た誰かの作品の模作ではなく、周囲の評価から完全に自由な作品造…

狩猟民族

コスモスの咲く季節、嫁さんと息子を連れて府立植物園へ。乳児である息子はもちろん、嫁さんの分も入場無料になる。あちらこちらを乳母車が行き交う少し涼しい長閑な光景の中、局所的に物騒な一角に遭遇。 巨砲を構えて一斉掃写。狩猟民族だな。黒砲を援護す…

息をのみ込むというやつ。

陶蟲

陶器で昆虫ときたもんだ。あの節足類の細い足を表現できるわけがないと思ったら、かなり高度に模倣している。 参ったね。

印度飛蝗

こんなサイケデリックな彩色、嘘のようだ。黄色地に黒い斑点に赤い点。なにも触覚まで縞模様にすることもないのに。南国の生態の華やかさにはいつも驚かされ、何のメカニズムゆえにこんな色を装うに至ったか不思議に思う。「碧い目をした」なんて表現すると…

足高蜘蛛とGKB

大きな足高蜘蛛が屋内に出没して嫁さん大騒ぎ。 雌は足を広げるとCD一枚分ほどにもなる大型の蜘蛛でそれが恐ろしく速く走る。臆病らしい。毒はなく、人に危害を加えることはない。そしてこやつ、走るGKBすら追いかけて捕縛する身体能力を持つ。さらには、GKB…

他国感情

ふとした思いつき。チョウセンメクラチビゴミムシって標準和名が未だ改名されないことには悪意があると思うのだが、いかに? しかもチョウセンメクラチビゴミムシは属名であって、チョウセンメクラチビゴミムシ属に属する種はもはやツシマメクラチビゴミムシ…

白川の蛍 夏の訪れ

東山は白川、街のど真ん中の一隅に蛍が舞う。ここの蛍は店の企画で放たれたものではなく、ここに住み着いて長らく繁殖している。それでも数は毎年、減少傾向だそうだ。そんな話を見ず知らずの近所のおじさんとした。 長くシャッターが開いている間に、一匹の…

さしがめ

おお、ヨコヅナサシガメではないか。しかも蛾の幼虫の頭部に生きたまま口吻を刺して体液を吸っている。なんとエゲツない。 しかもこのサシガメ、刺された際の痛みはスズメバチに次ぐほどの強烈な痛さらしい。なんでこんな時に単焦点レンズをつけたカメラしか…

蜘蛛と犬と秋の空

犬「蜘蛛の大将、調子はどうですか」 蟲「いやあ、秋も暮れると収穫はさっぱりですわ」 犬「紅葉で腹は膨れませんよね。。。おやつ欲しい」 蟲「全くですわ」 そんな会話はたぶんなかった。 この雄の女郎蜘蛛もあと数週間の寿命。冬に向かって多くが命を閉じ…

風の中のマリア

オオスズメバチの悲劇的な生態がかなり詳しく理解できる秀逸な小説。ほかに類型を見かけないとても創造的な小説だと思う。蟲好きにはたまらないに違いない。「永遠のゼロ」を著しただけに、未帰還が何頭であるとか、空中戦の表現とか、オオスズメバチの狩り…

曽爾の草叢

歩くだけで靴が濡れるような霧の中で見つけたもの。 蟷螂。 蛇莓。 深い青のセンチコガネ。

玉蟲

玉蟲って書くと王蟲みたいだけれども、ムシは蟲と書くのが正しく、虫はトカゲやヘビなんかを指していたらしい。今では慣用化されて蟲と書くほうが違和感があるけれども。 玉蟲色なんていうと立ち位置によってころころと見え方が変わる例えに使われる。しかし…

座禅

ここ一週間ほど忙しなかった。新しい事業部長が取り巻きの幹部らを連れてシンガポールから来ており、さらに仕事相手が数日連泊していた。決めないといけないことが宙ぶらりんで先に進めねばならないことが多かったので脱線を遮ったり随分と直接的なもの言い…