アネモネとマンゴー

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マンゴー。おまえってやつはなんてフォトジェニックなんだ。拡大プリントして額に納めて飾りたい。もう、これだけでアート。

 

歳を経て、アンニュイな表情を浮かべることが増えたように感じるのは気のせいかね。言葉が喋れて酒を一緒に呑めたらと思う。どんなやつなのだろう。純朴なのか、毒舌なのか。

 

 

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 アネモネが雪も霜も全くものともしない強靭な華だとは知らなかった。頑強なイメージの矢車菊ですら雪の重みで茎が折れていたというのに。

 

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素人が土を捏ねて陶器を焼いたりしているけれども、ふと眼を向けると生物の造形美には勝てないことを思い知らされる。

 

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嫌なことが多い時期というのが時折、波のように押し寄せるけど、こういうものを見て自分と自分の状況を客観視して乗り切っていこうかと思う。

 

大雪とフィリピン生まれのトイプードル

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もう数日前のことだけれども日本に帰国したら寒波に大雪。ちなみに上海も数十年に一度という雪が積もったそうだ。

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雪の重みでシマトネリコの枝が折れてしまった。梅はものともせず。

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アネモネも中空のやわそうな茎なのに、雪が積もりやすい大きな花なのに折れることなく耐えきった。

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メダカは睡蓮鉢の底で仮死状態になっているのだろうか。凍ってしまったら流石に死んでしまうよな。無事を祈る。


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フィリピン生まれのマンゴー殿は最初は興味深そうに走り回った。まるで橇犬のような逞しさ。肉球は冷たさをあまり感じないのだろうか。しかし数分後には寒くなってプルプルと震えだしたので家に退却。

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あちらこちらに雪達磨が作られ、雪掻きの道路をこする音が鳴り響く。たまには雪も楽しいね。

 




 

京都仏画師によるレトロ風 乳白ランプシェードに青龍白虎。

 

京都にいる古美術修復にも携わる仏画師の友人にランプシェードに絵を描いてくれとお願いしていたものが届いた。ちなみに京都の社寺仏閣世界遺産なんかも修復に携わっているというと、古木のような頭に布を巻いた作務衣の絵師を思い浮かべてしまいそうだが、友人は30代の女性だ。

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私の好みで、神獣を描いてくれと注文したら白虎と青龍を描いてくれた。白虎と青龍の形のどこが違うのだろうと思ったが、顔が違う。古典意匠だと一見、色違いのつがいに見える。

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どこがこのランプシェードをゆっくり眺めるのに適しているだろうと考えた末、まさにここぞ、という適所が思いついた。トイレ。腰をかけて見上げれば、である。私の滞在時間は短い方だが、嫁さんは存分に眺められることと思う。

 

作陶に行ったら、先生が今年の干支を描いた皿を教室に飾ってくれていた。

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なんか、反則級に可愛らしい。大きな壺を登り窯で焼いて、気に食わなかったらそれこそ割ってそうな古老の先生の風貌からは想像できない華奢で繊細な感性の絵。これをみたら若い女性陶芸作家の手によるものと想像してしまう。しかも2〜3mmという薄さで造形されている。

人は見かけによらぬもの。良い期待の裏切り方をしたい。

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猿から犬へ。来年は猪が楽しみ。

 

 

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自分の作陶はというと、8ヶ月ぶりに轆轤を挽くことにした。感覚を忘れるのに十分な空白期間だ。これだから上達しない。

 

冬の土は凍てつくように冷たい。菊練りをしていると、このままの状態の塊をくり抜いて植木鉢にしてみてはどうかと思う。いっそのこと、今度そんな植木鉢を作ってみようか。

 

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取り敢えずは五点、水挽きした。手前三点は吊り下げ鉢にしようかと思う。ひとつは辰砂、ひとつは白化粧、もうひとつは鬼板に飴釉にしようか。

 

奥二点はドーム状の蓋と台で組み合わさるように飾ろうかと思う。

 

 

 

 

 

作陶ざんまい。犬の陶板モビールと鹿鉢

 今日は10時から18時まで作陶三昧。休暇の充実度が更に高まる。クリスマスの頑張りに妻が配慮してくれたと思われる。

 

赤土2号をタタラにし、それを犬のシルエット型に切って、爪楊枝で穴を開けて。たったそれだけのことに2時間もかかった。輪郭を綺麗に出すのがこんなに厄介だとは思わなかった。3mm厚のタタラなのだが、これでも分厚くて反対側からも同じ輪郭にするのが困難。さらに薄くすれば切るのは楽になるが反るし素焼きの段階で割れる可能性が高くなる。f:id:mangokyoto:20171226180955j:plain

 これらに太い針金と糸を使ってモビールに仕立て上げようかと思う。骨付き肉に飛びついているもの、骨に向かって跳躍しているものを対にしてクルクルと回るようにしよう。

 

何せ戌年だからそれらしいものを作ろう。

一匹、一匹の裏に家族や親族の名前を書いてみても子供達は面白がるかもしれない。

異なる釉薬を掛けて釉サンプルにもできる。

白マット、チタンマット、月白、伊羅保、飴、柿、土灰、黒マットなどの彩度の低い釉薬を使っていきたい。

 

いっそのこと素焼きせずに釉薬を生がけしてみても良い。

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午後にはまた鹿鉢を作り始めた。工事中。

 

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折角だからそのまま写実を目指すよりも創作的な鹿にしたい。というわけでまた首をデフォルメして長くする。

 

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今回は胴に対する頭の大きさのバランスは大分、改善された。さらに小さくもしてみたが、なんだか存在感が薄まってつまらなくなったので、今の大きさまで調整した。

まだ土は柔らかいはずなのに4脚で重い腹と首を支えられているので重心バランスは悪くないのだろう。 

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尻もプリッと。頭の角の位置にも穴を開けている。

 

単にまた角の代わりに多肉を頭から生やさせるのでも良いが、今度は神鹿のイメージにより近づけてみようかと思う。

 

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で、神鹿らしく花托を載せてみた。広葉樹のように枝を茂らせる多肉植物をズドンと中央に植えてみたい。

 

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眼を大きくした方が愛嬌は出るのだろうが、引き締めたかったので小さめに留めた。

更に神鹿のイメージに近づけるために鞍や馬具装飾を胸につけてみようか。もう少し土が乾いて硬くなったら脚を細く削り、細部を仕上げていきたい。

 

鹿の造形だけに3時間もかかってしまった。時間がいくらあっても足りゃしない。

頭を掻いて思う 犬と人の幸せにどれだけの違いがあるのか

 

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早速、マンゴー殿に私の早朝5kmのジョギングにお付き合いいただいている。

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4kmを過ぎたあたりから犬の方が小走りで走り続けることに飽きてきてしまう。しかし体力の衰えもあるのではないか。

 

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京都にいた頃は比叡山や東山のトレッキングコースを縦横無尽に走り回った。ロードバイクに引かれて賀茂川を何キロも並走した。

 東京に来てからは山に行くことなど殆どなくなったし、おでかけは子供が優先されて、そこにさらにマンゴー殿に同行していただく余裕はなくなった。家にいる時間ばかりで1日に短時間の散歩では体力が落ちるのも当たり前だ。

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本人はまんざらでもなさそうな表情をしているが、マンゴー殿は幸せなのかと思うときもある。世の中は広いのに毎日、家の中でつまらなくはないのか。毎日変わらない生活でつまらなくはないのか。

 

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 しかし我が身を振り返り、大きな視点で見ると自分も何が違うのか。世の中はこんなに広いのに毎日、同じ街に住み、同じ職場に朝から晩まで詰めて、帰って寝る。職場ではPCなんてものを開いてひたすらカチャカチャ打ち込んで、あとは電話で話しているか、似たような顔ぶれの人と話をするだけ。毎日、つまらなくはないのかね、幸せなのかね、と誰かは思うかもしれない。いやいや、キャリアも積んで職責も増え同じようなことをしてるように思えても面白みを感じていることもあるんですよ、と。マンゴー殿にしろ、家の中の変わらぬ日常の中で変化やブーム、新鮮な発見はあるのかもしれない。私が理解していないだけで。

 

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いつもダイナミックに頭が振動する。ロックな縦ノリだ。頭掻きすぎて脳細胞がプチプチ潰れてしまわんのかね。

鹿鉢、酒器一揃え、瓦礫鉢、鹿絵沓鉢

 

 

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酒器一揃えが無事に焼き上がった。

 

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一合入れられる酒器は発色が悪かったのでマンガン窯変釉を掛けて二度、焼いた。その甲斐あってか、貫入の入った金属光沢を帯びた濃褐色の陶肌になった。

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ところにより金、黒、褐色の金属光沢が出て、光をあてると貫入が浮かび上がる。渋いねえ。満足のいく焼き上がりだ。これは厚掛けではなく、二度焼成しないとこうならないのだろうか。

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酒器に酒杯2個を添えたものを一式で包装した。人生で初めて、自作の陶器を人に贈る。なんだか、小っ恥ずかしいし、贈るに足る水準なのかも疑わしい。同僚の昇進祝いなのだが、まずは実父への祝いなどでもっと腕を磨いた方が良かったようにも思う。赤い緩衝材とともに包みながら、「女子かよ!」と自ら心の中で突っ込むこと数回。偏見。ええい、ままよ。モノ自体よりも気持ちと思ってくれればありがたい。

 

 

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黄緑がかった気持ちの悪い発色をしたものも上に重ね掛けして再度焼いたらこの通り。本来は断面を焦げた土肌にしたかったのだが、使用に耐えられる状態まで回復できたので良しとしよう。割れ目から生えるように、茎の長い多肉を植え込みたい。

 

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頭のでかい鹿を上から撮るとさらに頭でっかち。他の方からは木彫りみたいに見えるとのこと。

 

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クリスマスだからトナカイを描いてみた。角が沓型の碗を一周している意匠。

 

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頭を掻く犬の土片。余った土で手慰みに作ってみた。そういえば来年は戌年。犬を飼っているというのに、犬の正月飾りを作ってこなかったことを反省。

 

はよ、植え込んでみたい。

 

マンゴー殿、秋の装い

 

 

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玄関先の実生から育てているモミジが赤く色づいた。湯河原の万葉公園のモミジよりも綺麗なのではないか。あちらはオオモミジ系でイロハモミジは少なかった。南禅寺、山科疏水、大徳寺醍醐寺銀閣寺。種を採取してきたこれら寺々ではこんなイロハモミジが一面を覆い尽くしていたのだから、やはり京都の紅葉は格別だと改めて思う。

 

例年よりもモミジの紅が美しく思う。気休めではあるが睡蓮鉢を樹下にあてがって湿度を補っていること、そして何より急な気温低下が理由と思われる。

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ボサボサな毛の塊と化したマンゴー殿。これ以上、毛が伸びると嗅覚だけで生きねばならなくなるので散髪に行ってもらった。

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劇的ビフォーアフター。今回もテディベアにされないよう腐心したのだが、今回は少し頬の毛が短すぎやしないか。なかなか◯◯カットというように様式化したカットではないので仕上がりが安定しない。

 

ま、それでもかわいい。