金魚掬い


綺麗なお姉さんと好奇心を目に湛えた少年と店の主人。お祭りに定番のほのぼのとした光景。そのように撮れないのは単に撮影者の技術不足でしかないのだが。



屋台の金魚掬いは金魚救いではないのだよ。過密状態で追い回された金魚は弱っていて持ち帰っても死ぬ確率が高い。しかしそんな状況を生き残った金魚は何年も長生きするものもいる。過酷。


そんなわけでヘタレは屋台の金魚になかなか手が出せない。京都は金魚を買える店が思いのほか少ないのが悩み。

荒廃

炎暑の中、1週間近くも家を空けたのは長すぎたようだ。椛の「鴫立澤」の葉が茶色く枯れて丸まり、京都の寺社から収集した種から育てていた苗が14本枯れて倒れた。幹の太い「鴫立澤」はまた葉が出てくれると信じているが、苗はどうにも回復が見込めない。南無。


それよりもショックだったのが、帰国翌日には元気にしていた金魚がその翌朝には全て姿を消していたことだ。庭に犬とは思えない見慣れぬ糞が落ちていたので、どうやら猫に喰われたらしい。何も帰国直後に襲わんでも。。。


他の生き物の腹に収まったのならせめてもの慰め。懲りずに再度金魚を入手すべく出町柳の木村養鯉場を訪ねた。ここは主力商品が錦鯉なのだが、土佐金や黒琉金など一匹4000円もするような金魚も売っている。小生の予算は一匹300円程度で、巷にありふれた頑健な琉金、丹頂、黒蝶尾が欲しいだけなのでここの金魚は上等すぎる。去り際に水槽が目にとまった。緋泥鰌。薄く紅いドジョウなのだが、龍のように体をくねらせて泳ぐ様が素晴らしい。しかも底に大抵いるので猫の強襲にはやられにくいはずだ。6,7cmの緋泥鰌が750円。ううむ、高いが欲しい。


自動水遣り器と猫避けの防護ネットも設置せねばなあ。出張や旅行をする身には何かを育てるのは難しい。

金魚鉢刷新

ささやかな愉しみで温和に平凡に生きていける自信がある。それで満たされることができる。しかし現代社会人としては向上心の無い人ということになってしまうのだよな。今は良くとも10年後、20年後を考えるとこんな隠居爺のようでは成り立たないのがつらいところ。


金魚鉢を一新した。冬の間に枯れてしまった金魚草を取り出し、睡蓮を沈めた。そこに布袋草を二株ほど浮かべて日陰を作る。ごくごく簡易ではあるが簡単なエアポンプもとりつけた。よしずを半分かけて鉢の半分に影をつくり温度上昇を防ぐ。金魚鉢を直接、直射日光にさらすのは良くない。日夜の水温の変動幅が大きくなってしまうし、藻が発生しやすくなる。しかし睡蓮はよく日に当てることが重要らしい。ここらへんはどうにもならんが、中途半端な状況の寄せ集めでそれぞれが耐えてもらうしかない。そして酸性に傾きすぎないように鮑の貝を入れてみた。


現在の顔触れは紅い頭の丹頂、朱色の劉金、そして黒の蝶尾の三匹。


ううむ。いまひとつ足らない気がする。底に砂を敷いてみようか。鉢の淵に苔を活着させてみようか。金魚が食べられる線の細い水草を少し入れてみようか。はたまた水面の上に直立するパピルスでも植えようか。

熱帯魚バー BLUE FISH AQUARIUM

三条河原町にある水族館だらけのバー。


水槽の中はどれひとつ同じではなく、こちらではコブダイ、あちらではイソギンチャクとクマノミ、あちらではネズミザメ、極彩色のハゼに蝦と華やか。いくら珊瑚礁の海を潜っても、こんな高密度に華やかな固体がいるわけではない。泳ぎ回って探し出すからこそ驚きと喜びもあるのだが、ここのようにオールスターが揃っているのも目に楽しい。


カウンター席に座っていた女性二人組の目当ては魚ではなく男前のバーテンダーのようだった。感じの良い若いのが揃っている。どうやら彼女らは看護婦らしい。魚に癒されに来る客もいれば、不規則な生活の中でバーテンダーに癒されに来る人もいる。


またダイビングに行きたい。そんな衝動に駆られるバーだった。今度は沖縄の慶良間にでも行ってみようか。それともパラオにでも行くか。


テーブルチャージ520円。ドリンクは700円から1000円程度。水族館に行ったほうが安いのかもしれないけれども、この青く浮かび上がる雰囲気の中で座って酒を飲むのもまた別の良さがある。


BLUE FISH AQUARIUM
河原町通三条上ル二筋目東入ル恵比須町
[月〜木・日・祝]
19:00〜翌3:00
[金・土・祝前日]
19:00〜翌5:00
夜10時以降入店可、日曜営業

餌やり

金魚藻が茂りすぎているものだから、肝心な金魚は殆ど目にすることができない。しかし時折、庭にはそこらから猫がやってくるので獲られない為にはこれで良いのかもしれん。


唯一、確実に観られるのが餌をやる時。



鰹節のようなフレーク状の餌。金魚は構造上、胃が無いらしく餌をやりすぎると消化不良を起こす。それでいて、腹八分で食べ終えるという自己抑制もできぬらしい。自然界では生きられぬまでに体型も人工的に手を加えられて久しいくせに、そういうところはなかなか変わらぬものらしい。


今まで3日間餌をやらずとも元気だが、一体何日間ほど餌やりをせずに家を空けても大丈夫なのだろうか。水面に落ちた羽虫を食べたり、金魚藻を食べたりしてくれているのだろうか。


金魚藻

カボンバという種の金魚藻を睡蓮鉢に入れてある。何やらラテンな響きのする北米 原産の沈水性植物。



水草は以下の重要な役割があるとされる。

  • 二酸化炭素を吸収し酸素を供給する
  • 金魚の隠れ家となりストレスを低減する
  • 金魚の餌となる


小生にとっては、水換えの頻度を減らせ、何日も家を空ける際に食いつないでもらえるので楽ができる。ネットで情報収集するかぎり、日照不足で葉が溶けたり枯れたり、はたまた金魚に食べ尽くされたりと扱いづらい側面もあるらしい。幸いにも我が家の路地モノは水面を覆うほどに日に日に増殖。肝心の金魚が見えなくなった。

小さな白い蕾発見。その背後には僅かに覗く紅。