睡蓮鉢のメダカ

 

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数ヶ月前、メダカをホームセンターで10匹飼った。120円だった。

 

売値は1匹12円。そうなると原価はいくらなのだろう。生産元から販売店までの移動やプラ袋に小分けして酸素を入れる手間などを考えると儲からなさそうだ。何せ原価が仮に5円だとしても粗利が一袋70円。輸送中や店頭で死ぬ奴もいるだろうに。売れ残れば酸素を補充し直す必要もある。熱帯魚コーナーのないホームセンターなので、下手したらその手間を惜しんで酸素が欠乏して死んだら廃棄される恐れだってある。

 

最初は黒っぽい体色だったものも数ヶ月で大きくなり、緋色になってきた。

 

玄関外の睡蓮鉢で飼っている。モミジの木陰に置き、ホテイアオイを浮かべているだけの変哲もない鉢だ。直射日光は当たらないので水温も比較的安定しているかと思う。ちなみに睡蓮鉢はモミジへの湿度補給の目的もある。

 

猫多発地帯だが、メダカほどに小さいと狙われることもないらしい。野良猫が睡蓮鉢の水を飲みにくるらしいので、それでも喰われずにいることを思うと猫の捕食対象外らしい。金魚はやはり猫に喰われてしまうだろうか。

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メダカを飼ったホームセンターでメダカのエサを買い、それを2日おきぐらいにげている。エサ代のほうが高かった。

 

おまえさんたちはたったの12円で売られてしまったのか。道に落ちていても拾わないような金額ではないか。そう考えると不憫で慈しみたい気持ちになってくる。


なにぶん狭い睡蓮鉢ではありますが、のんびり余生を過ごしてくださいな。

 

R座読書館 水槽の席

R座読書館の最前列左手にある水槽席。そこには幅60cmほどの水槽の前に奥行き25cmほどの板が渡してある、小さな空間。



ブラウニー、珈琲碗、急須を並べる。



黒茶の珈琲の水面に明るく照らされた水草の眩しいほどの若草色が映り込む。絶景かな。



ネオンテトラが左右を何もすることがなさそうなのに忙しなく左右を行き来する。それにもまして、神経質なほどの速さでヌマエビが前脚で何かを掻き込んでいる。時折、ベタが水槽の主のように優雅に横切る。それら動きも一切の音がなく異世界を眺めているようだ。日常や街の喧騒から遮断する仕掛けか。


ぼんやりと動きのあるモノを眺め続ける。これを我が家に取り込みたい。

金魚掬い


綺麗なお姉さんと好奇心を目に湛えた少年と店の主人。お祭りに定番のほのぼのとした光景。そのように撮れないのは単に撮影者の技術不足でしかないのだが。



屋台の金魚掬いは金魚救いではないのだよ。過密状態で追い回された金魚は弱っていて持ち帰っても死ぬ確率が高い。しかしそんな状況を生き残った金魚は何年も長生きするものもいる。過酷。


そんなわけでヘタレは屋台の金魚になかなか手が出せない。京都は金魚を買える店が思いのほか少ないのが悩み。

荒廃

炎暑の中、1週間近くも家を空けたのは長すぎたようだ。椛の「鴫立澤」の葉が茶色く枯れて丸まり、京都の寺社から収集した種から育てていた苗が14本枯れて倒れた。幹の太い「鴫立澤」はまた葉が出てくれると信じているが、苗はどうにも回復が見込めない。南無。


それよりもショックだったのが、帰国翌日には元気にしていた金魚がその翌朝には全て姿を消していたことだ。庭に犬とは思えない見慣れぬ糞が落ちていたので、どうやら猫に喰われたらしい。何も帰国直後に襲わんでも。。。


他の生き物の腹に収まったのならせめてもの慰め。懲りずに再度金魚を入手すべく出町柳の木村養鯉場を訪ねた。ここは主力商品が錦鯉なのだが、土佐金や黒琉金など一匹4000円もするような金魚も売っている。小生の予算は一匹300円程度で、巷にありふれた頑健な琉金、丹頂、黒蝶尾が欲しいだけなのでここの金魚は上等すぎる。去り際に水槽が目にとまった。緋泥鰌。薄く紅いドジョウなのだが、龍のように体をくねらせて泳ぐ様が素晴らしい。しかも底に大抵いるので猫の強襲にはやられにくいはずだ。6,7cmの緋泥鰌が750円。ううむ、高いが欲しい。


自動水遣り器と猫避けの防護ネットも設置せねばなあ。出張や旅行をする身には何かを育てるのは難しい。

金魚鉢刷新

ささやかな愉しみで温和に平凡に生きていける自信がある。それで満たされることができる。しかし現代社会人としては向上心の無い人ということになってしまうのだよな。今は良くとも10年後、20年後を考えるとこんな隠居爺のようでは成り立たないのがつらいところ。


金魚鉢を一新した。冬の間に枯れてしまった金魚草を取り出し、睡蓮を沈めた。そこに布袋草を二株ほど浮かべて日陰を作る。ごくごく簡易ではあるが簡単なエアポンプもとりつけた。よしずを半分かけて鉢の半分に影をつくり温度上昇を防ぐ。金魚鉢を直接、直射日光にさらすのは良くない。日夜の水温の変動幅が大きくなってしまうし、藻が発生しやすくなる。しかし睡蓮はよく日に当てることが重要らしい。ここらへんはどうにもならんが、中途半端な状況の寄せ集めでそれぞれが耐えてもらうしかない。そして酸性に傾きすぎないように鮑の貝を入れてみた。


現在の顔触れは紅い頭の丹頂、朱色の劉金、そして黒の蝶尾の三匹。


ううむ。いまひとつ足らない気がする。底に砂を敷いてみようか。鉢の淵に苔を活着させてみようか。金魚が食べられる線の細い水草を少し入れてみようか。はたまた水面の上に直立するパピルスでも植えようか。

熱帯魚バー BLUE FISH AQUARIUM

三条河原町にある水族館だらけのバー。


水槽の中はどれひとつ同じではなく、こちらではコブダイ、あちらではイソギンチャクとクマノミ、あちらではネズミザメ、極彩色のハゼに蝦と華やか。いくら珊瑚礁の海を潜っても、こんな高密度に華やかな固体がいるわけではない。泳ぎ回って探し出すからこそ驚きと喜びもあるのだが、ここのようにオールスターが揃っているのも目に楽しい。


カウンター席に座っていた女性二人組の目当ては魚ではなく男前のバーテンダーのようだった。感じの良い若いのが揃っている。どうやら彼女らは看護婦らしい。魚に癒されに来る客もいれば、不規則な生活の中でバーテンダーに癒されに来る人もいる。


またダイビングに行きたい。そんな衝動に駆られるバーだった。今度は沖縄の慶良間にでも行ってみようか。それともパラオにでも行くか。


テーブルチャージ520円。ドリンクは700円から1000円程度。水族館に行ったほうが安いのかもしれないけれども、この青く浮かび上がる雰囲気の中で座って酒を飲むのもまた別の良さがある。


BLUE FISH AQUARIUM
河原町通三条上ル二筋目東入ル恵比須町
[月〜木・日・祝]
19:00〜翌3:00
[金・土・祝前日]
19:00〜翌5:00
夜10時以降入店可、日曜営業