炙り餅 一和


大徳寺の頭塔をめぐり、今宮神社に参拝する前かあるいは参拝した後にでも立ち寄って足を休めるのに最適である。

どこかの宿場町のような風情の中に北側右手に創業1000年の「一文字屋和輔」、南側左手に創業400年の「かざりや」がある。一文字屋、通称一和は平安時代からある日本最古の和菓子屋でもあるらしい。店先で焼かれる芳ばしい香に誘われて中の座敷へ上がりこむ。


黄な粉をまぶした餅を竹串に刺し、炙り焼いた上から白味噌をかける。白味噌の甘さと餅の柔らかい食感がたまらない。別段、複雑な造り方でもなかろう。家でも作ろうと思えば作れるのかもしれないのだが、神社の傍の茶屋で食べるこの雰囲気も手伝う。是非焼き立てを店で頂きたい。腹にずしりと満腹感をもたらしてくれる餅だ。

炙り餅で使われる竹串は今宮神社に奉納された斎串(いぐし)で、今宮神社で毎年4月の第2日曜に行われるやすらい祭の鬼の持つ花傘の下に入ると御利益があるのに倣い、食べることで病気・厄除けの御利益があるとされているのだとか。

お座敷の上でまるで昭和のような家族の団欒。恋人同士で来るも良し、祖父母を連れ立って来るも良し。

品書きは外国人にも親切な英語表記。