京都国際マンガミュージアム

海洋堂の特別企画展が催されていた。「土偶からフィギアまで」というテーマが面白い。両者は連続していたものだったのか。


土偶、埴輪から始まり、紙人形あたりから若干時代が飛ぶのはご愛嬌。そして塩ビの怪獣人形あたりからまた濃密になる。
中世に子供の玩具収集に乗り出した趣味人が自らを大きな子供、略して大供と称したのが「オタク」の原型だという主張や、その当時の服装の流行を模した少女の博多人形が美少女フィギアの原点だという考察は面白い。しかし残念ながら日本語英語併記されているにも拘らず、これらの説明は英語表記にはなかった。オタク文化を求めて日本まで来ている外国人も少なからずいるのに、英語での説明こそ必要だろうよ。



2次元のアニメキャラクターは多分に記号化されているらしい。具体的には鼻が無かったり、目が大きく描かれていたり、10頭身だったり。それを3次元のフィギアに起こして尚、立体的な整合性を取るのは感嘆すべきことらしい。確かに、描かれてもいない鼻をどんな形状、高さで造形するのかは難題だ。マンガミュージアムという子供が大勢押しかける施設にもかかわらず、露出の高い美少女フィギアまで置いているところに攻めの姿勢が見て取れた。元小学校校舎を使っていながら、PTAが牙を向きそうな攻め。反体制的で素敵だ。



ドールは女性向けで着せ替えたりして遊ぶもの、フィギアは男性向けでコレクションして鑑賞するものといったそれぞれの説明も分かりやすかった。男性を対象とした女性をあさっての方向に美化したフィギアがあるのに、女性を対象にした男性をあさっての方向に美化したフィギアはないのだろうか。宝塚フィギアのような、あるいは筋肉ムキムキで顔だけ優男のペヨンジュンのようなフィギア。もう既にあるのだろうか。北斗の拳フィギアやジョジョフィギアは欲しいと思った。あの細部への拘りはなかなか凄い。残念なのは、「北斗の拳」の英訳が「Fist of North Star」だったことぐらいか。直訳すれば良いってモノでもないだろうよ。洋画に邦題をつける時のような創造性が欲しい。



マンガミュージアムは言うならば巨大なマンガ喫茶である。入場料大人500円で10時から18時まで5万冊の漫画が読み放題。新しいところで言えば、ナルトやBleach、OnePeaceなんかの連載中の人気作品も置いてある。英語版のマンガも置いてあるので、外国人も日本のマンガワールドへの窓口になるのではないか。単なるマンガ喫茶にとどめず、世界中のマンガオタクの聖地となって彼らを吸い込んでいってもらいたいものだ。



小生は「墨攻」を11巻まで読破した。




京都国際マンガミュージアム 烏丸御池 10:00-18:00