滋賀近代美術館

滋賀出身だとかで小倉遊亀の作品が寄贈され常設展示されている。


小倉遊亀という日本画家は知ってはいたが、女性だとは知らなんだ。遊に亀でユウキではなくユキと読むらしい。残念ながら小生の好みの画風ではない。


特別企画展が二つ催されていた。ひとつはアメリカ現代美術。床に置かれた黒い長方形だとか、赤一色に塗られたキャンバスであったりとか、欧州的美意識の先入観からの脱却などといわれてもさっぱりわからず。画家にとって美術史における意義はあっても、そこから一般人は美を感じづらい。一色で塗って、無題。それでもって自由を表したかっただなんて。そうですか。美術理論に囚われた美術を本業とする人達の中だけで通用する内輪的なシロモノではないだろうか。アートを観て楽しみたい一般庶民には訴えるものがない。


もうひとつの企画展は大和絵なんかを集めており、これは見応えあり。狩野探幽の墨の濃淡で情景を描き出す技量は素晴らしい。下絵も無く、やり直しも効かない即興。