苔を生やす試み

庭一面の苔を夢見て、蒔き苔法で育ててみることにした。


ますは下準備として枯れ始めた庭の草花を除去する。リビングの窓を開けた前方、岩から岩の間が実験のスペース。実の生っている紫式部は残しておくこととする。



苔はそもそも土壌の栄養が必要なく、大気中の水分と栄養分だけで生育する。苔よりも成長の早い雑草の繁茂を防ぐためにも、苔を生やすには砂地のほうが良いとのこと。そこでネットで白い砂を注文して届けてもらったのだが、この砂が純白といえるほど白くて困ってしまった。せいぜい灰色の中でも白い程度のものだと予想していたのだが、そこだけ雪が降ったかのように際立って白い。これは是非一面に苔が生えてもらわんと見苦しい。


苔を生やす砂地は排水性が大事だというので、若干の斜面を作ってみた。


山科疎水のコンクリートに活着した玉苔、天神市で250円で買った砂苔を鋏で細かく切り刻み、それを砂と混ぜて上に撒いた。


苔は非常に繊細な植物で、日光の射し加減が僅かに変わるだけでも枯れてしまったりする。苔に陰を落とす樹木を剪定しただけで枯れることもあるぐらいらしい。しかし、その環境で栽培した苔は既に環境に適応しているので、単に移植するよりも丈夫となる。


毎日気長に水を撒いていれば早くて1ヶ月もすれば生えてくるらしい。何しろ相手は苔。気長に臨まねば。それでも生えなければこの場所に適性が無いということ。苔は蒸れるのが最もよくないので、日中に水を撒くわけにはいかない。となると冬までは夕方に、さらに寒くなったら朝に撒くようにする必要がある。


さあ、生えてくれるだろうか。


別途、山科疎水の苔を陶器の植木鉢に乗せておいた。今のところ元気そうだ。合間から雑草が双葉を覗かせている。