桜を撮りたい

一面を埋め尽くす桜も壮観だけれども、惚れ惚れとする美しさは花びら一枚一枚の輪郭が認識できるような近さで眺める時だと思う。とりわけ朝や夕方の斜めから射す光線を透かした桜。若葉や苔の新緑に影が落ちる中、白く浮き立つ桜。


肉眼と自分の撮った写真には話にならないほどの乖離があって、家に帰って写真を見るとがっかりする。肉眼の印象に少しでも近づけようとするならば、立ち止まって粘っこく露出やシャッタースピードを変えながら何枚も試行錯誤して撮らないといけないのだろうが、家族と連れ立っていく限りそれはできない相談。