読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

赤福 他山の石


伊勢神宮前のおはらい横丁は赤福企業城下町でもある。以前訪れた際には感じなかったが、今回、そこかしこに赤福の存在感を感じた。おはらい横丁に店は数多くあれど、赤福ほどに他県での認知されているブランドはない。他にも赤福という名前を使わずに五十鈴茶屋、伊勢萬などを営んでいる。大きな賑わいをもたらしている「おかげ横丁」は赤福が立ち上げたものであるし、赤福の恩恵にあずかる店や企業も多いだろう。昨年の参拝者800万人超という記録は単に伊勢神宮だけによるものではないと思う。その前後におかげ横丁で充実した店で飲食いしたり土産を買ったり、そういう総合的な満足度もリピートする下地にあるのだろう。長らく伊勢工業会議所の会頭を務めていたように地元伊勢経済への影響力は非常に大きいものがある。周囲が赤福に逆らえないことは想像に難くない。


赤福はうまい。餅を漉し餡で包むと美味いのは変わり無く、素材に非は無い。しかし2007年に消費期限切れ製品を回収販売していた事実が発覚した企業としての「赤福」の経営姿勢は水に流す気にはなれない。


Wikipediaによると以下のようにある。
農水省によると、赤福は出荷の際余った餅を冷凍保存して、解凍した時点を製造年月日に偽装して出荷していた。赤福は、解凍しての再包装を「まき直し」と称していた。


偽装は、未出荷のものもあれば、配送車に積んだまま持ち帰ったものもあった。さらには回収した赤福餅を、餅と餡に分けて、それぞれ「むき餅」「むき餡」と称して、自社内での材料に再利用させたり、関連会社へ原料として販売していた事実も発覚した。

偽装品の出荷量は、平成16年(2004年)9月1日から平成19年(2007年)8月31日までの間に、6,054,459箱(総出荷量の約18%)に上り、これ以外の期間にも日常的に出荷していた。10月18日23時赤福側が緊急会見を発表し、売れ残った商品を製造日を偽装再出荷したことを認めた。


この問題が発覚後、三重県内や名古屋市大阪市など東海・近畿の駅売店、百貨店などでは赤福餅の販売を自粛し、伊勢市赤福本店は臨時休業となった。また、時事通信によれば、製造日偽装は34年前から行っていた。さらに『日本経済新聞』は、少なくとも40年前(1967年頃)から偽装を始めていたと報じた。

10月31日付で濱田益嗣が会長職を辞任した後、12月14日に玉井英二を新会長とするなどの新人事を発表した。しかし、濱田典保は社長を留任した(ただしそれ以外の濱田一族は取締役を退任)。加えて前会長の益嗣は、いくつかの会合で、「新会長は飾りもので、二、三年もすれば、自分が会長に復帰する。自由の身のいまの間に、関連会社をばんばん作る」と発言したという。」
「2007年12月11日、同じく関連企業の「益屋本店」も賞味期限切れの和菓子を販売していたことが判明。特に、本店の喫茶スペースで販売された和菓子は9割が賞味期限切れだった。」

なんとか採算を取るために、あるいは従業員を食わせていく為にやむなく偽装再販したようではない。廃棄の無駄がもったいないからさらに金儲けの為にしたという悪意のある経営姿勢が透けて見える。3日しか賞味期限が無い生菓子なのだから目一杯廃棄率を下げるための需給管理などほかにもできることはあっただろう。


社長は単に先代から長年培った赤福の看板と評判を受け継いだだけだろう。参拝客は金を取る対象にしか映らなかったのか。受け継いだ資産を活かせば地域から愛され尊敬され必要とされる存在にも成れただろうに、不思議とそうは志向できなかったようだ。支配欲なのか独占欲なのか。授かった資産の価値を見誤り手にできる幸せと異なる方向へと向かってしまったのか。他山の石。



夏季は赤福の入ったカキ氷「赤福氷」が売られる。それにしても秋のような景観だな。こんな茶屋が峠にあって欲しいという理想的な景観。



赤福運営の「おかげ横丁」の無料紙芝居でもきっちりと赤福の宣伝が出てくる。ほっぺが落ちるほど美味しいのだそうだ。映画の印象深いシーンで主人公がコーラを飲むのと同様の宣伝臭さを隠す広告手法である。



赤太郎。すっとぼけた顔しているがあんたんところの社長は性根がよろしくない様だね。そもそも賞味期限3日のもんをあちらこちらの店に積み上げるのが間違えてると思うのだよ。


CSR委員会なんてものを作ってコンプライアンスなんて流行言葉を掲げてはいるが創業者一族が舵を握る会社では社長に身を改める意思が無い限り全く効果が無いことも付け加えたい。