手に負えない原発

ふとした日常会話でも原子力発電の是非なんてことが話題にのぼる今のご時世。もう何事にも驚かなくなってきたと自らにも呆れながらも、処理するあてのない大量の放射能汚染物質に埋もれた原発の現状は心配である。


もういっそのこと放射能汚染物質は固化密閉して日本海溝の8000メートル以深に投棄したらどうかねえ。「超深海埋設処理」だのと称して。友人に言ったら、「自分の見えないところに押しやってしまおうというのはあかんよ。深海のことを深く知らないというだけで海洋生態系にどんな影響があるのかもわかっていないのだから」と窘められた。いや、全くその通り。


でも考えてみたら、そもそも現状の核廃棄物処理計画だって似たようなものなのだ。使用済み燃料は燃料再処理工場において再利用可能なウランプルトニウムが分離回収され、残った核分裂生成物がガラス固化され、30年〜50年地上で冷却されたあと地下数百メートル以深に埋葬処分される。


あくまで地下300メートルなんかに埋設すれば安全ではないかと推測しているだけだ。しかし日本海溝の底よりも遙かに地層埋設のほうが私達の営みには影響がありそうな気がする。地層中であろうと金属は腐食するし、地下水などが地表に長い年月をかけて循環しているのかもしれない。放射線が全て解明しているとは限らないしもし未知の遮断できない放射線があるとしたら地層埋設処理のほうが日本海溝に沈めるより直線距離で明らかに生活圏に近い。


結局、今の核燃料利用は使い終わったら見えない遠くに捨てるだけの短絡的な計画と言える。情けないことに六ヶ所村再処理工場とて理論通りに操業できずにいるお粗末な状態なのだから、やはり原発は技術知識水準を超えた手に余るシロモノということかね。どうやら止めたほうがよさそうだ。