ホリエモヒカン

モヒカンは頭だけを指すのだろうか。番犬マンゴーの首から尾までをモヒカン調にしてみた。今日、収監された一世を風靡した元IT社長へのオマージュである。マンゴーのホリエモン仕立てとでも呼んでおく。



「金で買えないものはない」は流石に言いすぎだったと思う。別に個人的に好きではない。それでも彼が収監されたことには首をかしげる。


偽計及び風説の流布粉飾決算の二つの証券取引法違反に問われての有罪判決。粉飾額は50億円とこの手の事例では少額だが、これをもとに1600億円の資本調達と本人の145億円の持株売却が可能になったことを重視しての執行猶予なしの懲役2年6か月だとされる。ちなみに粉飾決算を許容した会計士は執行猶予4年付きの懲役1年と格段に軽い。


カネボウは総額2000億円以上の粉飾を行い、当時のみすず監査法人が消滅する事態になったにも関わらず粉飾を周囲に強要していたカネボウの社長は執行猶予3年のついた懲役2年3か月だった。執行猶予とはなんとも語弊のある制度で、その期間に再犯しなければ刑務所行きを免れることができるという不思議な制度だ。言葉遊びになるが仮に懲役50年執行猶予1年という判決と執行猶予無し懲役5年という判決があったとして、即座に5年間の刑務所勤めをしないといけない後者のほうが圧倒的に物理的な罰は重い。執行猶予つきの判決なんて懲役が何年だろうとどうでもよい。被害者には何の気休めにもならん。


だからホリエモンも執行猶予付きにすべきだと言いたいわけではない。むしろカネボウ元社長に執行猶予を付けるべきではなかったと思っている。社会的に影響の大きな違法行為に手を染めたのだから、牢屋で反省してもらったらよい。


むしろ執行猶予無しの実刑判決と刑務所への収監を実行してほしいのが東電先代社長と取締役の面々だ。「電気事業法及び核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」に抵触する違法なデータ改竄が30年以上にわたって行われていたことが明らかにされているが、メディアの反応は随分と大人しいものだった。福島第一、第二(いずれも福島県)、柏崎刈羽新潟県)の原発、合計17基中13基で新たな不正が発覚し、緊急時に原発メルトダウンなどを防ぐ非常用炉心冷却装置(ECCS)のポンプ故障を隠して検査を通すなど、悪質な改竄だった。



方やハイリスクを承知して急成長新興IT企業に投資した余剰資産を持つ投資家を騙した粉飾決算。方や国のお墨付きのもとに絶対安全=ノーリスクと説明されていた老若男女の市井の人々。そんな彼らに避難を強い生活基盤を奪った原発事故。既に自殺者も出始めているし、やがては国による東電支援費用が国民に転嫁されることを考えると社会的影響力、実被害額は遙かに大きい。過去の意図的なデータ改竄の悪意性は既に確認されている。


データ改竄や背後に潜む数多の法令違反と福島原発事故との因果関係と現在の被害が回避できたものであることを実証し経営者の責任を追及してほしい。東京地検特捜部、捜査してくれ。管轄外なのかね?素人にはそこらへんがわからん。リケンとかユチャクとかそういうやつか。ホリエモンは既成権力やお上に逆らったから追い落とした見せしめで、東電経産省天下り保護企業だから許されていると大衆に非難されてもしかたなかろうよ。