京都外国人案内

スイスにいる会社のお偉いさんが日本出張に嫁さんを連れて来るというので週末に京都を1日案内することになった。性格が多分にひねているので、お偉いさんが自分の所属職種の上司なら断っていたと思う。職種が違いキャリアにも関係なく、嫁さんを楽しませたい意図が感じられたのでその気になった。


年配であること、時差呆けが残っていること、夏の暑さを鑑みて負担が掛からず廻れる旅程を試行錯誤した。10時半出発で夜は10時までとのこと。寺院は5時までには閉まってしまうので効率的に回る必要がある。


ウエスティン都ホテルから地下鉄で西大路御池まで行き、そこからタクシーで龍安寺を起点に西陣周辺を回る。観光客も少なく寺院の静けさと石庭の楽しめる龍安寺、外国人同士が京都に行ったと共通の話題で盛り上がれる名所として金閣寺。そこから先は一般観光客では味わえないだろう特別な思い出を作るべく、禅僧の友人に時間を割いていただき寺の茶室を案内して頂いた。さらには観光案内本にはなかなか取り上げられないが見応えのある小さな西陣織美術館の松翠閣へ。


どこまで寺社仏閣に興味があるかはわからない。大きな伽藍のお寺か朱の美しい神社にでも連れて行きたいが、馴染みのない外国人には寺などどこも一緒に見えてくる。そこで一旦三条寺町まで戻り、よーじやカフェで休憩した上で寺町周辺で買物してもらうことにした。典型的な外国人向け土産物屋、時代物の浮世絵、Tシャツからロフトのアイデア雑貨など幅広く見てまわれる。


さらには天ぷらが食べたいということなので迷わず料理旅館「吉川」を選択。あそこは季節ごとに室礼を変えるお座敷に美しい中庭がある。そして食後はK家という町屋の蔵を予約。K家には日本酒をベースにした美味しいカクテルがある。


そして丸一日、通訳と専属カメラマンとして御夫婦の写真を撮ることに徹する。コンパクトながら様々な要素を詰め込んだ一日になるのではないか。