座禅

ここ一週間ほど忙しなかった。新しい事業部長が取り巻きの幹部らを連れてシンガポールから来ており、さらに仕事相手が数日連泊していた。決めないといけないことが宙ぶらりんで先に進めねばならないことが多かったので脱線を遮ったり随分と直接的なもの言いをせねばならなかった。部下の子の予算の更新を見るのも時間の余裕がない中で幾度の修正が必要だったのでこれまた随分と直接的な言い方になっていたと思う。


そういうのを評価されたりもするのだろうが、週末になるとイガイガのような気持ちが滓のように溜まっている気がした。多少攻撃的になり、いつもよりは気が昂って頭が冴える感触。大抵、仕事は進むがその後に自己嫌悪に陥る。


そんなわけで久しぶりに大徳寺に座禅しにいった。心を無になんてできた試しは無いのだけれど、平常心は戻ってくる。蝉の音なんかがよく聞こえる。時間に追われると辛抱がなくなってコミュニケーションが雑になっているだけなのだよな。性急な判断や決断が必要な時にも柔らかく議論を誘導できるよう努力せんとな。


今日、動かしていた足がまさに目の前で止まった蝉を数匹見た。いつのまに十か所以上蚊に刺された。血を吸わないと子孫を残せない雌蚊も決死の攻勢をかけてきている。もう夏も終盤。