米国人向け京都 稲荷と牛角

先週中国で会った、中国に駐在している米国人の同僚一家が1週間ほど日本に休暇に来るので昼食でも一緒にどうかと誘われた。11歳と13歳の娘を二人連れてきているというので、これは日本贔屓にする為にも案内せねばと思い、日曜日に京都案内することになった。ちなみに旦那とは知り合いだったのだが、嫁さんに今回初めて会い、嫁さんは中国の部門の一番のお偉いさんだと知った。社内結婚で、旦那さんよりも嫁さんのほうが段違いに偉い夫婦らしいが、そんなことは知ったことではない。


東寺ガラクタ市。これが思いのほか興味をひいたらしい。美しい柄の振袖、襦袢や浴衣が300円から4000円程度である。どこかに染みがあったりもするが、外国人が気軽に室内着として羽織るのには良いらしい。ここで結構な買い物をした。さらに木版画なども熱心に見ていた。旦那がGIジョーナチス兵に興味津々だったが、家族の手前、無関心を装っていたのが見ていて面白かった。



伏見稲荷。やはり外国人の描く日本のイメージは伏見稲荷の朱塗りの鳥居。鳥居が延々と果てしなく続いて行くとは知らなかったようで、歩いても歩いても先の見えないトンネルに信仰の厚さを感じていたようだ。



時間が許せば東福寺にも連れて行きたかった。しかし時間が無くなったので寺町に移動し、浮世絵や日本画等を専門に扱う店へと連れて行った。


そして晩飯にはどこに連れていくかで散々迷った。風情のある日本庭園のある家屋での食事、割烹料亭など日本らしさを楽しんでもらえる店はたくさん浮かぶが、上の娘があまり生ものや野菜を受け付けないようで、昼もステーキ定食を頼んでいた。寿司が好きな下の娘も穴子が駄目だったり、蕨餅も駄目だったりとなかなか難しい。見た目が奇麗でも食べられない料理が出ては意味がない。マクドナルドが一番喜ぶならばそれこそマクドナルドに連れて行くのがもてなしとしては正しいのだろう。長い迷いの末に出した答えが「牛角」。高級焼き肉店の肉のように脂っこくないし値段は手頃だし、自分で焼くのも子供には楽しかろう。米国のステーキやBBQとは異なる料理でもある。懐石やらいろいろ京都の味を知ってもらいたいという思いもあったが、結局喜んでもらうことを第一に考えるとそうなった。


翌日、「昨晩のレストランは最高だったよ!娘たちも大いに気に入った。日本に惚れたよ」みたいな報告を頂いた。日本食に親しんでない米国人を楽します料理屋を選ぶのはなかなか難しいことを再認識。