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舞妓

意匠


知恩院を通り抜ける際に熱気を帯びた群衆に遭遇。群衆が二つに割れたかと思うと警備に守られるように舞妓さんが歩いてきた。舞妓さん撮影会なるものに遭遇したようだ。



舞妓さんよりも目を奪われたのが写真愛好家の数。階段に何列も並んで一斉射撃。数打ちゃあたるとばかりに連写音が機関銃のように鳴り響く。黒いレンズはかわいいほうで、最前列の熱狂的な人達はキャノンの白レンズ砲を槍歩兵隊のように並べ構えている。大半が還暦を過ぎた初老兵達。


ここに集まったカメラ機材だけで総計数千万円は行くのだろうな。呆気にとられながら頭によぎったのは、この熱狂的でエネルギッシュな団塊世代を支えることなど細く痩せた若い世代には無理なのではないか、と言うこと。朝から晩まで家庭生活を犠牲にして働いて高度成長期を築いた世代だとは理解している。そんな時代を最大限楽しんだ世代でもある。



散々働いたから、これから目一杯老後を楽しむ自分等の面倒を見てくれ、それが約束じゃないか。そう言いたいのはわかる。しかしとりわけ人口の多い彼らの熱気に触れると、もう少しなんとか自分等自身で面倒を見てはもらえぬかと思ってしまう。



そんな熱狂的群衆など存在しないかのような素振りでシャッター音の雨の中でじゃれあう舞妓達にも小悪魔的な蠱惑を感じた。



携帯をいじりながら町中を歩いている舞妓変身プランの観光客と違い、本職の舞妓は可憐さと仮面を被った底知れなさがある。



財力と行動力を持ち合わせた団塊世代にはいっそ一口パトロンのような役割をになってもらえないものか。幾千万は無理でも数十万を投ずる余裕はある。一口亡八制度と名付けて集めた資金で島原角屋のような遊郭を再現するとか。優先利用権をもってもらう代わりに金を出してもらうと。伝統文化技能の発展維持に役立つはずだ。しかもあまり利用されても困るから東京の人を中心に。。



外国人には未だ頭の中にはゲイシャフジヤマサムライのファンタジーを抱えた人が多いのだから外国人誘致に役立つかもしれない。京都には廉価でこてこて日本文化な大人の歓楽が足らないように思う。観光客が大勢お金を落とす分野なのに。



この笑顔や仕草を見てもうっとりと憧れるというよりも、怖いなあ、と感じてしまう。