愛憎と理屈

二十四歳の子に恋愛相談に乗ってくれと言われて終電を逃すまでたくさん話を聞かせてもらったのだが、人を好きになるというのは理屈ではないのだとぼんやりと思った。


反対に生理的にあの人は無理だのありえないだのという言葉もよく聞くが、そうなものは仕方がないのだろう。いくら好いてもらおうとしても無理なものは無理。


一方で子を愛せない親というのもいて、しばし不幸なニュースが流れる。赤子を十階から投げ落としたが奇跡的に助かったという事件がついこの前あったばかりだ。大きくなってから父親が自分を殺そうとした事実をどのように受け止められるのだろうか。


性格の相性などわからぬし子も親も互いに選べない。子は愛して当然だと思う一方で子を愛せない親がいるのもわからんでもない。廻り合いの幸、不幸。