竹内栖鳳邸晩餐




八坂通を上がったところにある竹内栖鳳邸を活用したレストランで11,000円のイタリアンフルコースを頂いてきた。


竹内栖鳳と云えば京都画壇を代表する日本画家、なんせ上村松園橋本関雪の画業の師であるわけだからその重鎮さもわかるというもの。高台寺清水寺の間の一等地に広大な邸宅を構えていた竹内栖鳳。もともと裕福な家の出だったのか、それとも画業でここまでの普請三昧できるほどの富を成せたのか。





お味の方はというと新鮮な魚介類を取り入れていて美味しい。ボタン蝦にキャビアモエシャンドンのジュレを合わせた前菜、フキノトウと烏賊のパスタ、フォワグラに京都牛ステーキなどわかりやすく高級そうな素材が使われている。昔ルーマニア黒海沿岸で食べたキャビアや父がロシアから持ち帰ったキャビア缶はもっと塩気が強かった記憶があるが、今日のキャビアはなんとも薄味に感じた。気のせいか。


値段相当かと問われれば難しいところだが、あの雰囲気で食事を楽しむことを考慮すれば満足。竹内栖鳳が好きなもので、どこまで往時のものかはわからんが、その邸宅で食事ができるというだけで相当バイアスがかかっていると思われる。3800円ほどのコースもあるようで、清水寺高台寺界隈を観光した後にここで食事するのもいいかもしれない。


銀閣寺そばの橋本関雪邸といい、昔の日本画家はなんとも立派な邸宅に居を構えていたものだ。羨ましい。現代の金持ち芸術家よ、普請贅沢をしてイイモンを後世に残しておくれ。