瀬田川の奥にある寿長生の郷の裏手には1000本の梅林が広がる。三月末にもかかわらずまだ紅梅は7分咲き、白梅に至っては3分咲き。ここでは白は紅より遅いらしい。
桜を心待ちにして梅のことなどすっかり忘れていた。梅の季節は外で鑑賞するにはまだ寒いからか桜の花見ほどには盛り上がらない。かつては花見と言えば梅を指していた時代もあったのだが、梅はいつのまにか脇役というか前座のようになってしまった。
柄の短い花が枝に直接咲くものだから、桜にはない樹形を見せる。下から天に突き上げるような樹勢は林立すると見事。
桜はどんなに濃い色でもせいぜい左手の紅梅ほどだろう。しかし梅はさらに鮮烈な紅梅がある。白から紅への色の多様性で言えば桜よりも梅なのだな。
- 匂い良し
- 色の華やかさ良し
- 剪定のし易さ良し
- 病気への耐性や良し
- 食用の梅の実が得られる実用性や良し
それでも桜に主役を奪われたのは何故だろう。すこし可哀想なやつでもある。人間の勝手だが。