走井餅


生八ッ橋の「夕子」製造工場が京都五条通滋賀県境にあるのだが、滋賀県からの帰りに必ず通る道沿いにあるので寄ると生八橋が食べ放題。入場料も要らず、買わなくても咎められない。緑茶も飲み放題。これは夕方、帰路のおやつに便利な立ち寄りスポット。




生八橋のゆるキャラマスコットが子供の襲撃にあっていた。容赦がなくて微笑ましい。「中の人、どこ」「ここに隙間あるよ」。ゆるキャラは攻撃を受け止められずに退場した。





生八橋な気分でもなかったので「東海道大名物 走り井餅」とやらを買った。第二十三回全国菓子大博覧会 名誉総裁賞受賞と書いてある。かつては逢坂の関に走り井という名水があり、その水と近江の米で作った餅が街道を行く旅人を楽しませたのだそうだ。



安藤広重東海道五十三次の大津宿でも街道に立ち並ぶ走井茶屋が描かれる。今は産業道路と道脇に残る古びたトタン屋根の民家だけの侘しい道なので、往時の賑わいは想像しがたい。走井茶屋のひとつを昭和初期に橋本関雪が購入して別荘として使っていたらしい。自動車の往来が激しくなる以前の話だろう。


ううむ。味は至って普通。坂道を荷を背負って歩き、登ってきた道を振り返りながら茶屋で一休みして食べたら美味しいのだろうけれども。