京都御所近衛邸跡糸枝垂桜花見宴会


久々にいかにもな花見宴会をした。友人の女性二人が朝早くから場所取りをしてくれたお陰で、昨日の時点で宴会できる洛中では最も桜が見事であろう場所で花見を楽しめた。



御所の糸桜は満開で、風が吹けばはなびらが舞うこの上ない花見日和となった。近衛邸跡の桜は笠状に見事な枝振り。紅枝垂だけがまだ蕾。





花見弁当はわらびの里という店の二段重弁当を予約していた。桃色の包みを広げると場が一層華やかになる。好評だった。和久傳や六盛などの花見弁当に憧れるが全て飲み食い合わせて二千五百円以内の手頃さで丸一日楽しむのも満足のうちだろう。


友人の作ってきてくれた甘酒もすっきりした味わいで美味かった。運転しなければならず酒は遠慮したが酒度がないということで甘酒を頂いた。麹を入れて発酵させているのでやはり飲めば少しは酔う気がする。


なかなか自分だけでは消費できなかった金柑酒が思いのほか好評でほぼ空になった。次は何の果実酒を作ろうか。友人の桜餅のようにはいかないが手作りの一品を持ち寄るとそれが何であれほっこりとする。



桜花に吸い寄せられるように写真撮影に来た花嫁、花婿が幾組か近くに来て目を楽しませてくれた。なんとも微笑ましい。それを観て、最近、彼氏と別れたという女性が「あー結婚してえ」と奇声を発していた。あの幸せそうな笑顔と華やかな着物を見ればわからんでもない。




桜餅を振る舞ってくれた和菓子屋の若旦那。
場所取りをしてくれた扇絵付け師の女性。
美味しい手製の甘酒を振る舞ってくれた表装師の女性。
高野山にも納めた曼陀羅絵師の女性。
京都の版画屋を継いだという実はご近所さんであることが判明した旦那。
スカイツリーの設計に関わられていたという建築士一家。
季節外れの西瓜を持ってきてくれた広告代理店の青年。
果敢に英語の会話に入ってきてくれたベンチャー企業勤めの青年。
晩飯まで付き合ってくれたジンバブエ人の友人夫婦。しまいにはスイスからお忍びで来た弊社ディレクターとその奥様も加わり、英語の通じない相手と盛り上がっていた。
なんだかんだで総勢十七名にもなる宴会となった。たまにはこんな人の輪も良いものだ。




「塀の外では下賤の者共が騒がしいのう。。。下品なことじゃ」
いやいや、地面に座って美味しい餅をパクつきながら賑やかに過ごすほうが絶対に楽しい。