かわらけ土器鉢 X パキボディウム デンシフローラム

息子の誕生記念に器を焼いた。せっかく自製しているのだから市販の品には無さそうな、手間暇のかかる紐造りで大き目の植木鉢を造ろうかと思い立つ。なんとなく造りたくなったのは古のかわらけのようなどっしりと武骨な形。古代土器のようなやつだ。それを黒土で造ったらなんとなく面白いかもしれんと思った。


いざ造り始めると、どうしたら縄文式土器に見えるようになるのかわからない。先生に縄文式土器の写真をみせてもらうとその自由で立体的な造形に感心する。よく欠けたりひび割れせずに造れたものだ。実際には野焼きだと割れることも多かったようで、今日まで割れずに残っているものは幸運な逸品なのだろう。土紐を貼り付けて紋様にし、さらに掘って溝紋様をつける。縄模様ではないので縄文式土器とも呼べない。手捻りの歪みも彫りや紐の粗さもご愛敬。端正に作りすぎたらつまらなくなるし、これはこれでいいかと思って直さずにおいた。異様になる。室内に調和しないのもご愛敬。



分厚く作っているので、通常の倍以上の日数をかけて乾燥してから素焼きしないといけない。それでも素焼きした段階で装飾が割れてとれたので釉薬でくっつける。理想的には釉薬をかけずに炭化焼成して燻し銀にすることだが、そんな焼成方法は叶わないのでマンガンと黒マットをムラに掛けて還元焼成してみた。


いづれにしろ、2000年も経って道具や環境に恵まれた世にいながら縄文人にはるかに及ばないとは。。。致し方なし。



パキボディウムを植えてみた。作り始めたときから植えるのはこいつしかないと思っていた。



鉢の底には「息子生誕ヲ祝シテ」と入っている。大きく育て。