スロバキア紅葉計画


スロバキア人が楓を故郷にも植えたいという。流石に永観堂南禅寺の紅葉の種を採るのはまずいので、息子を背負い、マンゴーをお供に連れて疏水沿いの楓の種を採りに出かけた。


スロバキアでも育つのか心配だというのでいくつか注意事項を伝えた。


種を発芽させるには水に2,3日浸して種の芯まで濡らし、それを冷蔵庫で3月頃まで保管して真冬の凍てつく土中を再現してあげる必要があると。それを春先に播けば温度差で種が春を察知して芽生えてきてくれるようになっている。


それから楓は水切れには弱いが、土壌には比較的適応力が強いのではないかと。スロバキアも秋には一気に冷え込むようなので霜にあてればしっかり紅葉するだろう。


疏水沿いを歩くと、血のように真っ赤な楓があった。京都は戦火が絶えなかった地で、かつ清水寺南禅寺なんかの東山沿いの寺はかつては死体を風葬に処した地に建った寺で、こういう深紅の紅葉は根元に死体が埋まっているなどと冗談を言うのだと教えてやった。すると、死体も水に浸し、冷蔵庫に入れて春まで保管してから埋めたらよいのかとぬかしおる。馬鹿だな、こやつ。


スロバキアの法律がどうなってるかは知らんが、ちゃんと検疫は通さな。