初窯

初釜ではなく、初窯。


年末に焼いた陶器はどれも地味な焼き上がりで良かった。練りや芯出しが巧くできていた器は焼かれた後も形が整っている。一方、削りの際に誤魔化して矯正した作品は焼いて見事に歪む。
赤土に白マットを掛け、縁にマンガンを流して還元で焼くと地味に落ち着いて悪くない。ここに真白い仙人掌を移植しよう。



赤土に白化粧土で象嵌すると模様がくっきりと出て好みかも。釉薬の掛かり際の焦げの風合いも好みだ。しかし削りの段階で器を5,6片に割って繋ぎ合せてみたのだが、歪む原因になるし釉薬を掛けると見えなくなるしで労多くして意味なし。継ぎ接ぎは辞めて、もっと複雑な模様を入れてみよう。




平和祈願と息子の健康祈願に造ってみた。またもや定年後にやりたかったことを先取りしてしまった。風化した古い像を意図して荒くヘタウマにぼやけた感じにしたかった。焼きムラが良い塩梅に出た。自然任せの工程が巧くいくと嬉しい。次はもう少し写実的でも良いかも。これには何を植えようか。難しい形状。


今回の実験的作品を元に次回は膨らませてみようかと思う。土肌に白化粧土で平安神宮の幕に描かれた神獣でも象嵌してみるか。苔や常盤忍を活着させるべく風化したものも造ってみたい。羊頭やら、アユタヤの根に埋もれた仏頭やら。

マンゴー用の水入れでも造ってあげようか。