穴子尽くし

三重のうちで特に伊勢若松のあなごは、汽水域で育ち、エビ・カニ・タコなどの豊富な餌に恵まれ、脂がのって美味なので他地域産の穴子よりも高値で取引され、江戸の昔より珍重されているのだそうだ。そう聞くと食べてみたくなる。穴子料理で定評のある「魚長」に食べに行った。



それにしてもこの鯱鉾のような穴子天の見事なこと。肉厚な穴子天がまるごと一匹のっかった穴子天丼。



名古屋に近いだけあって穴子もひつまぶし式に食べられる。海苔、葱、山葵で食べたり、茶を掛けたりとバリエーションを楽しむ。鰻は東京式ではなく名古屋式に炭火で香ばしく焼かれたもの。



そして穴子の寿司握り。食べ応えがあったのは穴子天が一番か。



三重の穴子愛はとまらない。年賀状に住所を書き込むときに思わず二度見してしまうことだろう。メゾン穴子201号室だなんて素晴らしい響き。鰻の寝床ならぬ穴子の寝床のような部屋なのだろうか。悶々とした学生生活を送るにはもってこいだ。シャトーXXだの白々しい名前のプレハブハイツ住宅が多い中で、この潔さは感心する。なんだか嬉しくなる。


ちなみにサザエさんに登場する穴子さんは27歳らしい。参った。


ともすると値段が高騰した鰻の代用品扱いされがちな穴子。十分に主役を張れる素材だと思う。サラリーマンを対象に穴子さんスピンオフのアニメも作ったら良い。


海の幸 魚長 http://www.anago-uocho.com/
鈴鹿市北若松町362
(塩浜街道沿い)
TEL:059-385-3311