マンゴーのストレス

マンゴーのストレスが爆発した。



先日の一泊二日の淡路旅行では家で留守番してもらった。真っ暗な夜。寒い夜。だから今日はマンゴーを連れて出かけようと思い、オヤツやらリードやらを準備していた。にも拘らず、直前になって居間にこれ見よがしに小便をしてくれた。久しく無かったことだがいざこれから連れ出そうという時だったので、罰として置いていこうかとも思った。が、やはり予定通り連れ出すことにした。先日二日間も放置された上にまた皆が出かける支度をしているので置いていかれると思って怒ったのかもしれない。


そりゃ、マンゴーとてストレスは溜まるのだと思う。そしてマンゴーにはどれだけストレスの発散方法があるのか。省みるとマンゴーを都合の良いように扱い過ぎている。愛玩とは彼我の差のある人間がより弱い者を好き勝手にするエゴと言っても過言では無い。すまん、マンゴー。お詫びに鷹峰の先、京見峠にあるペット可の「山の家はせがわ」というロッジ風レストランで家族で食事をし、その後で林道を散歩した。

リードを外すと、爆ぜるように走り出した。全力疾走してあっという間に視界から消えていくと、今度は凄まじい速度で駆け戻ってくる。些細な段差をその三倍ほどの高さまで跳ね上がって越えていく。こんなにも溜まっていたのだな。



京都の山を散歩させて楽なのは給水に適した渓流を容易に見つけられること。



京都を一望できる京見峠へと出た。あれが御所で、あれがウエスティンホテルで、あそこら辺が知恩院で、と遥か遠方に小さく見える景色に地名を当て嵌めていく会話は楽しい。



それにしてもここの杉は丁寧に管理されており、すらりと真っ直ぐに伸びて美しかった。散歩の途中、杉の手入れをしている爺様と言葉を交わした。清涼な杉林の空気、解放感のある景色に負ぶわれた息子もご機嫌。


すまぬ、マンゴー。今日は存分に気を晴らせたことと思う。