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金鉱 重松清

中国出張に行く前、三条京阪ブックオフでふと重松清の小説「流星ワゴン」が眼にとまった。けして無名ではないし今までも何度も見かけていただろうに、今回初めて目にとまった不思議。


父と子の物語だった。父になり、思うところも出てきた自分がこの小説を手にしたのはどういう偶然か天佑か。心理描写が深く、厳しい現実は脚色されることなく厳しいまま描かれている。甘い夢を見させる想像の世界に現実逃避させるような話ではないけれども、残酷な現実の中にポッと希望を照らすような作品だからこそ心のもう少し深いところまで届いてくる。


金鉱を見つけたようで嬉しくなった。繰り返し言うが既に著名な作家だし、私が勝手に今まで食わす嫌いして知らなかっただけだ。


引っ越しを機に東野圭吾の作品は全て処分するだろうな。暇を潰す娯楽にはいいのかもしれないけれども、心には何ら刺さることなくつるりと滑り落ちていくような作品ばかり。誰よりも売れている人気作家だろうが40年後には誰も知らなくなっていそうな気がする。


連れていきたい小説作家は百田尚樹司馬遼太郎藤沢周平、そしてこの重松清。東京出張中に「エイジ」を読んだ。中学生の心理をここまで理解できたらさぞ難しい年頃の息子とも強い関係を築けるだろう。いや、本当に心理を理解していればこそ、そんな簡単なものではないと笑い飛ばされるかもしれない。