幼児プール

夏も盛りを過ぎたようで、幼児用プールがなんと半額の800円になっていた。輸入品で直射日光に当たらないよう屋根がついている。ついでに水遊びのできるオムツも買った。便利なものだ。


家の前の二台分の駐車場が活きてくる。車を片側に目一杯寄せ、自転車の空気入れで炎天下、汗をかきながらプールを膨らませ、蚊取線香に火を着け、木の椅子をプール前に配置して準備完了。


息子をプールに入れたら場所見知りをしたのか、水の冷たさに驚いたのか、猛烈に泣かれた。あやしても泣き止まなかったが、嫁さんがプールの中で遊ぶ玩具を持ってきたら途端に泣き止んだ。それ以降は掌で水面を叩いたり、プラスチックケースの中に色取り取りのスプーンを出したり入れたりを笑顔で繰り返して遊んでいた。気に入ったようだ。


直径1m強、水深20cmのプールのすぐ前に監視員が座る。木椅子の下には役に立たないライフセーバー犬も。時折、背後をご近所さんが通り、挨拶をする。



傍目にはいかにもな週末の親子に見えることだろう。出来すぎた絵面に苦笑する。昔、自分が小さかった頃の写真を自分が親側に立って再現しており、人生そのものがループしているように感じる。


半年もしたら、幼児用の跨って蹴って進む車で遊ばせているのだろう。これまた自分が小さかった頃の写真にあったように。