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苦境からの立て直し

売上はどこも昨対割れで、人材の流出も激しい。七年間売上が減少し続けている事業もある。


かつて成功したモデルの残滓に不完全なままに従い、これではいけないと思ってはいるものの明解な別の道は見えていない。あるいは巨体の進む方向を変えるだけの内部の力がおぼつかない。


かたや足元をみると自分のチームの主力が急遽欠け、その穴は埋まらない塊を急遽あてがい、隙間を必死に掌をあてて零れないよう踏ん張っている状態。


多額の負債を抱えて利払いだけで余剰金が全て消えて行く状態の零細企業なんてのは多いのかもしれない。このままでは駄目だとは皆感じているが変えるだけの資金も余裕も、新しい方向に対する確たる自信もない。


西陣に松翠閣という素晴らしい西陣織の美術館があった。浮世絵や名画を見事に西陣織で再現した豪華絢爛な着物の数々を丁寧に解説付きで案内してくれる。圧巻は大きな部屋の壁三面を覆う織物で、荒海の中に浮かぶ小島と島を照らす月。実は織物には蓄光糸が縫い込まれていて、照明を消すと荒海と島と月とが蛍光色で鮮やかに浮かび上がり度胆を抜かれる。西陣織の魅力を広く伝えるべきその施設は私営で入場料はたったの200円だった。そこも今年の7月に運営する西陣織の会社が倒産して閉鎖されてしまった。表には差押えの告知が貼られた。


風前の灯火のような産業や企業は少なくないのだろう。特に小生の好きな古くからのものを扱う業界では。消えるに任せるのでなく、再起を図るにはどうしたら良いのか。今の仕事から何かが学べそうな気がする。