和と洋のアンティーク

西洋風アンティークと多肉植物の組み合わせというのは世にあふれた人気のある様式らしい。書店の本を観ても雑貨屋やカフェに行っても多肉植物をブリキの缶に寄せ植えたり、白ペンキの剥げた木のプランターに植えたりしたようなのは多い。


しかし、そういうのは正直、趣味に合わないのだよな。好みとしては和骨董に合わせていきたいのだが、現状は程遠く、むつかしい。


鉢は焼締や陶器鉢が中心だが、白い陶器鉢はすぐに洋風な雰囲気になってしまう染付け鉢、伊羅保や織部なんかの器のほうが良いのかもしれない。火鉢や墨引きなどの古くからの道具類を使うのも和な雰囲気は出るかもしれない。


燭台の上に鉢を置くにしろ、和蝋燭の燭台を使いたいものだ。


何と言っても吊り下げ植物は忍だろう。大き目のガラス鉢を忍で包み込み、金魚鉢の釣り忍を作りたい。そして夏には日陰や軒下の目の高さに吊るして金魚を泳がす。ティランジアを吊るすよりも、やはり忍だ。


洋風の古色が白や青や緑のペンキの剥げならば、和の古色は赤漆が剥げた黒漆の下から表出した根来塗りなのだと気付いた。


ブリキではなく鉄器。緑青の沸いた銅なんぞも良いな。南部鉄器なんぞに底穴を開けられたら良い鉢になると思うのだが。


花を活けるように、掛軸の前に花台を置き、下垂性の多肉植物を染付鉢にでも植えたらよさそうだ。


まあ、そもそも洋室なので何を足掻いても限度がある。床の間、欄間、障子のある和室が欲しい。