横浜中華街 萬珍楼

息子を連れて横浜中華街へ。


聘珍樓のモダンで味気のない建物に興醒めして老舗萬珍楼へ。泣き喚く幼児を連れているので、気分良く食事している他のお客さんの邪魔にならないかが不安だったが通路沿いの目立たない席に通して頂いた。後になって左右が幼児連れで埋まったので、幼児専用席群だとわかった。バンボを持ってきてくれたり、とりわけ用の皿を料理ごとにもってきてくれたり、接客も非常に丁寧。そして隣の席の幼児が適度にうるさいのもお互い様でリラックスできる。


コースで2500円なのだが、息子にたくさんとりわけても親が満腹で苦しくなるほどの量。そして肝心な味は、安心して楽しめる美味さ。久々に感心する旨さだった。横浜の中華街に対しては、イメージ先行の内装ばかり豪華な中華料理店がぼったくり価格の料理を出していると偏見を持っていたが、そこらの中華料理屋よりも安くてうまい。競争万歳。


刺激の強い味ではないので息子にも取り分けられる。鮑だのフカヒレだのそういう高級食材はいらない。馴染みのある食材を手ごろな値段で美味しく調理してくれているのが有難い。中でもトマトの中華スープには息子がいままで見せたことのないような喜びよう。普段はトマトは嫌う癖に。あまりの気に入りように家で食事を楽しめなくなってしまうのではないかと不安になるほど。


広州でそれなりに美味しいところや高級店でも食べ歩いたけれども、なんだか日本で食べたほうが中華は楽しめるかもしれない。中国のどんな高級店に連れて行かれようとも食材にどこか安心できなかった。日本ならば周囲の客が大量に注文して残す不快な光景も見なくて済む。コースでおまかせでたくさんの種類を腹いっぱいに食べられる。素材を活かした低刺激の味でもある。そして値段ももしかしたら同じ接客品質、食材安心感、味の店を選ぶとなると日本で食べたほうが安いかもしれない。大陸の人からしたら、日本人の舌に合わせた味で本格中華ではないのかもしれないが。