スロバキアの名産、土産あれこれ


旧市街の中心地はクリスマスマーケットが開かれていた。しかしこれもここ10年ばかりのもので観光客誘致と物品販売促進の色合いが強いという。そこら辺の土産物屋に入ってもメイドインチャイナのマグネットやらそんな類しかないので、手作りの品ばかりのクリスマスマーケットは旅行者には愉しい。


ホットワインがそこら中で振舞われる。赤ワイン、白ワイン、ブラックベリー
ラズベリー酒と様々だが温められると酸味の混ざった酒の香に蒸せ返ってしまって少し苦手だ。寒い中、体を温めようとついつい飲み急いでしまい酔いがまわる。


メドヴィナという蜂蜜酒がタルナヴァの特産らしい。ダブリン、アルゼンチン、オーストラリアを始め各国の蜂蜜製品の賞を総ナメにしている隠れた名品なのだそうだ。4種類試飲させてもらった。ハーブやスパイスの入った苦味の強いものから、蜂蜜の花の種類によっても味が異なるものまで数種ある。一番シンプルなものが蜂蜜の甘みをそのまま感じられて美味く感じた。度数は13度程度で原液のまま薄めずに飲むのだが、冬はやはり熱燗にして飲むのが良い。


クリスマスジンジャークッキー。食べられるけれども、ほぼ飾りらしい。多色使いの華やかなものが多いけれども、赤と白のシンプルなものが煩くなくて素敵だ。スロバキア語で恋人や家族へのメッセージ、メリークリスマスといったフレーズが書かれているのもスロバキアならではのお土産としては最適ではないだろうか。


陶器も売られていた。近郊の工房で造っているそうだがプリント柄は面白くないな。マグ、ジャー、スープ碗、蝋燭立て、胡椒入れなんかが定番。土肌に透明釉を掛けたものも売られていたが、少し厚ぼったくて日本人の手には収まりが悪そうだ。


タルナヴァの街並みを描いている油彩画家の店もあった。小作品が15ユーロと手を出しやすい。スロバキアで何がしかの賞を獲っている画家で本領は音楽作品を抽象画に写し込んだ作品だそうだ。タルナヴァで一番古い教会を描いた作品が気に入った。何処にでもある教会に見えてしまうけれど色彩が好みだし土曜日まで売れてなければ購入しよう。そんなわけで土曜日に再度訪れたらまだ残っていてくれていたので買うことにした。一人で行ったら15ユーロのはずが20ユーロと言われたけれども気に入ったし敬意を払ってそのまま払った。画家の写真を撮らしてもらったのだが、撮る前に髪型や髭を丁寧に整える。そんなこだわりがあるような髭や髪だったとは。


クリスマスマーケットではないけれども街の小さな醸造所の麦酒は是非飲むべきだというので試してみた。Sesslerさんが開いたそのままの名前の麦酒。アルコール度数が高いものだと20度なんてものまである。度数と色違いの生ビールを混ぜ合わせたものを頂いたが確かに美味い。ベルギーでも戦えるのではないか。大いに気に入ってSesslerおじさんとタルナヴァの名を冠したロゴ入りグラスが欲しいとお姉さんにねだったらプレゼントして下さった。最高。恥ずかしいので写真はNGだそうだ。


ここスロバキア西部はもともとハンガリーオーストリア帝国領土だったこともあり、屋台ではハンガリー式グヤーシュスープが親しまれている。屋台では当然、スパイスも売られているのだが特にグヤーシュ用にハーブと調合されたさほど辛くないパプリカ粉末も売られている。これを使って帰国したらグヤーシュを作ってみよう。


ついでに幾店舗もあるソーセージ屋で豚のチョリソーを2個ほど買った。他に鹿や馬もあるけれどもあまり冒険しすぎないほうが良い。食べた後にジワジワと辛さが溢れてくる酒のお供に最高なやつだ。