三鷹の森 ジブリ美術館

初めてジブリ美術館に行った。


人生で初めて独りだけで観た映画は「風の谷のナウシカ」で30年経ってもあれを超える世界観と熱量を持ったジブリ作品は出てきていないと思っている。宮崎駿さんの願望や鬱屈が長年澱のように積もった作品なのだと思う。


子供を連れて行ったが、まだ子供達はジブリ映画を観たことがない。しかし「パン種と玉子姫」の短編映画を今回初めて観た。台詞の一切ない作品で音楽と表情や仕草だけで物語を伝える。息子は興奮して途中から席を立って観ていた。儀礼的なものではなく本来の意味でのスタンディングオーベーションというやつだ。アンパンマンにはない魅力や世界観がジブリ映画にはあるのではないか。


完全予約制とはいえ、朝10時前から長蛇の列。しかし中に入ると混んではいるもののストレス無く廻れる。絶妙な人数に入場制限しているように思う。写真やビデオを一切禁止している効果は絶大だと思われる。カメラを向けるのでは無く自分の目で見て欲しいという宮崎駿の思いもその通りだが、皆が写真を撮り出すとそこら中の人の流れが滞るのだろう。写真が撮れるならば目の前の展示物から動かない人も、写真が撮れなければ一瞥して歩を進める。下手な写真を撮るために試行錯誤する時間は目の前のものに対しての感受性が死んだ時間だったりするのかね。


最上階の猫バスには二人の息子は大興奮だった。幽霊塔の迷路も大はしゃぎ。4歳以上、小学生未満は入場料100円。大人1000円。もっとファンの足元をみた高い値段設定なのかと思ったが、これならまた来たい充実の内容。