冬虫夏草鉢の釉掛けと本焼き窯入れ

素焼きが終わっていた。灰色だった見た目の赤土は素焼きになってようやく赤くなった。信楽白土はなんだか黄色い。


さて、蝉の幼虫の目玉だけをやすりがけし、さらに細かなバリを取る。


菌糸部分の白土に白マット釉を筆塗りし、さらに撥水剤で保護する。


そこにトルコ青結晶釉を掛けようと思って容器をとったら誰も数年間使っていなかったかのように蓋が開かない。


手の皮がめくれそうな思いで蓋を開けてみるも、中の液体釉薬がほぼ固化していた。定規、金箆、鏝などいろんな道具を突っ込んで掻き回そうとしたが30分ほどして諦め、助言を受けてカッターで容器を切断して中を取り出すことに。


ひたすら手で混ぜ、漉し器で漉し、釉薬を準備するだけで1時間以上かかったのは想定外。


釉薬の量はさほど多くなく、ドブ掛けできないので筆で塗ることにする。表面が滑らかな作品ではないので筆跡やムラは気にならない。大きな筆で一気に塗っていく。結晶釉は厚掛けしないと結晶が思うように出ないという。そこで三度ばかり塗ったが、厚塗りしすぎて縮みが出ないか少し不安でもある。


結晶は1100度程度で30分から2時間ほど保つと大きく成長するらしいが、大勢の作品を窯詰めするのでそんな温度調整はされない。



果たして赤土の赤味が所々で出るだろうか。釉の下地が濃い深みのある青緑になるだろうか。結晶の斑模様が出るだろうか。釉垂れしないだろうか。焼成板にくっついてしまわないだろうか。


カタログには載っていないし、WEBで検索してもトルコ青結晶釉と呼ばれても焼き上がりの色味は様々。自分の掛けているトルコ青結晶がどんなシロモノなのか。本当ならばテストピースを焼いて確認してから施す釉薬わ最終確認すべきなのだろう。造形も釉薬選びも施釉も全て一発出たとこ勝負。素人陶芸の切ないところだ。



底も撥水剤を塗ろうとしたが、撥水剤は塗らずとも濡れタオルにでも擦って落とせば良いと助言頂いた。しかしそうすることでタオルに擦る際に脚が一本折れてしまった。やはり自分で各作業をどうするか決めないと失敗した時に後悔するな。陶器用接着剤を水に溶き、繋いだがどうなることやら。焼成中に折れたら板にくっつき悲惨なことになる。