22年ぶりの中学校の同窓会

一学年は8組もあったことに驚かされる。今回の参加者は80人程度なので3割程度の出席率か。


案内ハガキを出しても宛先不明で返送された人も多いと聞く。今回、参加した人は実家が引越していない人、あるいは実家に今も住んでいる人ばかりだ。連絡がつくかどうかは本人ではなく親が引越しているかどうかが大きかったりする。


顔を見て、あ、たしかにこの人は知っているという確信を得る。そしてなんとなく名前が浮かんでくるのが不思議だ。


「1年の頃、おまえんちによく遊びに行ってたよな」「そうだっけ」「覚えてないんかよ」

「仲よかったの覚えてる」「遊んでたよな、俺たち」
そんな会話があちらこちらで交わされる。


仲が良かったという記憶も片方だけにしかなかったりする。その頃、傍目から見て無二の親友と思っていた二人が卒業後は付き合いは途切れていたことがわかったり。中学校の頃にはそこまで親しくなかったはずだが、同窓会で話が盛り上がる人もいる。友情というやつはほとんどの人にとっては流転する不確かなものなのかもしれない。


今、何してるの?結婚は?子供は?
ここら辺は決まりきったやりとりだ。


再会した女性の一人は子供がもう高校3年生で母としては大学進学を望んでいるが本人は就職したいそうな。就職したら早くも子育て終了。もうこの歳で子育てが終わるならなんでもできそうだ。ただ、その代わり皆が遊んでいた10代を子育てに追われて過ごしたのも事実。今は再婚相手の4歳下の旦那がいるそうだ。今から第二子も決して遅くはない。


親の稼業を継いでいる同級生もちらほら。そういう人達は地元から離れることもなく、お互いに繋がっているらしい。青森から福井までの範囲から中古エンジンを仕入れ東南アジアの客に売っている稼業の同級生もいた。中国人の嫁さんをもらって子供が三人。


名前を知っているようなアパレルで香港店の店長をやっているという同級生女性もいた。


VIP送迎のヘリコプターパイロット、行政書士一級建築士、介護士、保育士、製造機械のエンジニア、飲食店オーナー、レストランでパート勤務。高校時代、大学時代の友人よりも幅広い職業。そのうち何かで助け合えたら面白い。


あの頃の同級生は子供でしかなく、親に守られていた。それが今や、世間の荒波に晒され家族を守る側に立っている。


ネットで同窓会に行きたくない理由なんて記事を読むと、お互いの自慢話を聞きたくないだの、参加費が高いだのそんな意見が多い。参加費はホテルで開催したこともあり安くはなかったが、少なくとも自慢大会などというものではなかった。むしろ高校や大学時代の同窓会のほうが似たような学力同士が集まる分、互いに比べてしまうのではないか。