華麗なる一族の邸宅で昼餐 「二木屋」

 

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子供を親に預かってもらい夫婦水入らずで年末の昼餐を、かねてから行ってみたかった北浦和の「二木屋」でいただく。せっかくなので子連れではいけない店へ行きたかった。
 

自由民主党の初代厚生大臣だった小林英三氏の邸宅を改装したレストラン。小林家は毛利家家老の流れで、母は小林カツ代という料理研究家とのこと。目黒雅叙園の百段雛はこちら所有のものを貸し出しているのだそうだ。高円宮殿下が訪れたこともある有形登録文化財の屋敷でもある。

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12月一杯はクリスマスがテーマの献立とのこと。室内装飾もクリスマス一色なのだが、装飾品の質が何やら違う。イコンやら木像やらはては磔刑されたキリストの絵などが飾られ、華やかでロマンティックな趣というよりもキリストのマスを意識した趣。

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 この厳かで重厚な雰囲気に心を奪われる。白木が経年で飴に変わった色。この光景を見て、ああ、金持ちっていいな。自分もなりたいと思った。お金がないと作れないもの。いや、お金があった上で、まともなツテがないともはや作れないもの。

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 花頭窓に聖母子画。螺鈿の棚に象牙の十字架。まるで切支丹大名の屋敷のように逸品は和の室礼にも思いのほか調和するのだな。

 

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レトロな大広間の吊り下げランプ。LEDの円盤型照明なんかではなくて、こんなランプシェードが欲しい。中にLEDバルブを仕込めば文句はなかろう。

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 組子障子の美しいこと。柔らかい光に照らされた聖母像が目を惹く。富豪邸宅の洗練された感性にまかせるとクリスマス装飾もここまで空気感が変わるものなのか。

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 大きな空間がないとこれだけ大振りで派手なスタンドランプは映えない。

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さて、肝心の料理。 くわい、しめじ、山椒煮牛蒡、胡桃、蓮根、大根、柿などがクリスマスを意識して並べられる。どれも滋味に溢れ、噛み締めて味わう。

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味付けは完全に和の会席。柚子の香りが清々とする。

 

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お刺身も美味しかった。黒毛和牛も山葵醬油と塩でいただいて美味。甘味としては柚子羊羹と郷土菓子。柘榴がルビーのようで綺麗。撮り忘れた品もいくつかあるが、空間の素晴らしさと料理を踏まえると、私達のように、とっておきの昼餐を求めている者には5000円はけして高くはない。

 

舌で楽しむ以上に目で楽しめて満足。

 

我が家の書斎ともいうべき空間に局所的でも良いからこんな風格ある和洋折衷のアンティークな一角を作るのが夢。

  • 現在の安普請の化粧合板本棚をムク材の本棚に変える。
  • 壁紙を唐紙に変更。
  • 照明をレトロランプシェードに変更。
  • 窓に細工障子を嵌める。
  • ハリボーンの木床に張り替える。

特に板の張り替えは難しそうだ。ある程度、家が老朽化した後ならば心置きなく手を加えられるが現状では特に床の張替えと壁紙の張り替えは難しい。