腹が壊れても食べ続けて10日 パリ

腹を壊しても食べ続けている。もう、私の何かが壊れている。いや、壊れているのは腹か。

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食事を抜いて休めば回復するのだろうけれども、波のように朝食の時間、昼食の時間、夕食の時間がやってくる。何か美味しいものを食べないと、時間の使い方をしくじったかのように自分自身に対して謎のプレッシャーをかけている。美味しくないレストランで食事をとってしまった際には、よくも私の貴重な一食を、と心の中で苦々しく思っている。狂ってるな。原始的な生理的欲求に振り回され、食への執着に狂っている。それを生き生きとしているというのかもしれない。

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- もう牛肉は自宅で真空低温調理に限る

- フランスで牛肉を食べるならタルタル

- 兎は予想以上に大人しい味

- 鶉は美味しい。独特のクセになる風味

- ムール貝は白ワイン蒸しよりもゴルゴンゾーラ

- ジャックジュナンはやはり生キャラメル

- フランス人もツブ貝を食べる。美味い。

- プランタンのグルメフロア窓際カウンターで食べるのも良し



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ミシュラン三ツ星レストランに卸している肉屋から調達しているというビストロ「Severo」。3年連続で来ている。やはりフィレは絶品だった。フランス滞在中に食べた中で一番美味しい牛肉だと思う。

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ここ3年間、フランスに来るたびにレストランに置いてないものかと探し続けていたLapin。兎の肉なのだが、3月はもうジビエの季節が終わっていて見つけられずにいた。11月~2月の間にジビエに注力しているレストランでないと難しいらしい。

 

しかし、灯台下暗し。なんと社食であまり見かけない肉片が置かれているので聞いてみると、Lapinだという。いやはや、兎肉などというジビエを社食で出しているなんて、さすがフランス。

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何かの鳥肉だと言われて出されたら、そうだと思って食べてしまうかもしれない。あっさりとしているが鶏よりも肉の味が濃い。胸肉のように少しパサパサとしているのは調理方法が原因か。丸い臓器のようなものが2つあって、噛むと少しレバーのようなそれが臓器だとわかるようなキメの細かい食感だった。濃厚な肝のような味。あれは何だったのだろう。

 

晩御飯はパリ在住のレバノン人の友人に予約をしてもらった。日本人に人気の店だけではなく、外国人に人気の店というのも面白い。

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もう腹を壊して仕事に支障を来たそうとも気にする必要がないのでタルタルという生牛肉のユッケのようなものをスターターとして食べた。これが定番で美味しい。

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友人の蒸しムール貝ゴルゴンゾーラソース掛けも摘ませて貰ったがこれもなかなか。

 

そしてもう一つ、メインには日本では珍しいものとして鶉。独特の風味があってこれがまた美味しい。小さな鳥なので肉の量は多くはないけれども、鶉ならではの肉の香りが楽しめる。脚の肉だろう。指で折れそうなか細い骨の周りの肉汁に溢れた腿肉は絶品。

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プランタンの7階には眺めの良い高級食料品売り場ができていた。惣菜なんかを頼んで窓辺のカウンター席で食べられるようになっている。窓の外にはオペラの屋根の上の金の像が見える。うろうろしている間に窓際の席は埋まってしまった。

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ラファイエットで300円のゲラン塩を買い、地下の熟成肉屋へ。昨年、ここで食べたラムがとても手頃な値段にもかかわらず美味しかった。そこで前回よりも奮発して昼から25€のステーキを頼んでみた。

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美味し。。い。。のだけれども何か違う。濃厚なアミノ酸の旨味に溢れたようなステーキを求めていたのだよな。真空低温調理肉のほうが美味しい。焼くのに1~2時間もかける手間には勝てないのか。真空低温調理器のせいで外食のステーキが楽しめなくなってしまった。

 

 

45分ほど歩いてジャックジュナンへ。メゾンドショコラのパティシエを務めた後に独立し、リパブリック駅の近くに独立して喫茶室のある店舗を構えた。まだ日本に出店していない有名ショコラティエ

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評判だというレモンタルトを頼んだ。レモンカスタードクリームが載ったタルトで、なんとバジルの風味が香る。個性的だけど、タルトにバジルは求めていないかもしれない。ミルフィーユの方が好みか。

 

ジャックジュナン、メゾンドショコラだけでなくピエールマルコリーニなどヨーロッパには美味しい高級チョコはそこら中にあり、日本でも殆ど買えてしまう。

 

そんな中で、これは、と思えるのがジャックジュナンのフルーツキャラメル。バターの使われた風味豊かな濃厚な生のキャラメルで、口の中でとろける美味しさ。一昨年は持ち帰った殆どを嫁さんに食べられてしまって、私は何のフレーバーが美味しいのか知らずにいる。


フランス人の旦那、台湾人の奥さんの家族に晩御飯に招いていただいた。天使のように可愛い娘が2人いる。旦那のお祖父様は国葬されたという将軍の由緒正しきお家柄だそうだ。

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前菜はサラミやプロシュート、ハモンの肉盛り合わせと、ツブ貝、小エビなどの盛り合わせ。爪楊枝で身を引き出して食べると日本のそれと変わらない味。

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こちらでは丸ごとの鶉を出して頂いたのだがこれが絶品。レストランのものよりも正直、美味しい。塩気とハーブやスパイスのバランスが絶妙に好みだった。フランスと台湾の融合に間違いはない。

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デザートも柑橘系の酸味の効いた上品な甘さのケーキ。幸せだわ。客の歓待の為だとは思うが家庭でもこの水準の料理を食べているとは。

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宴は続くよ、いつまでも。日付が変わっても街はこの賑わい。

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