上海一目惚れした根と苔の芸術

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莫干山路50号で度肝を抜かれたのがこちら。主役級の存在感があるのに勿体ないことに人通りの少ない路地裏にあった。

 

巨大な広く浅く張った根の塊。本来は幹が伸びていたであろう中心部には龍が彫られている。なんとスケールの大きな中華の大陸的作品か。

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根には苔がむしてその混沌とした肌も素晴らしい。加工されて作品になってからも長い年月が経っている。いつから龍は形を持っていたのだろう。20世紀終わりか、鄧小平の頃か、毛沢東の頃か、日中戦争中か清朝末期か。

 

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手を加えられた彫られた箇所と根の形そのままな箇所が苔がむしたことで判別がつかなくなっている。

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凄みがある。

 

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根が集まり、密度が超過した箇所が龍の形を成し始めたかのよう。

 

売物だろうか。値段はいかほどだろうか。断トツで欲しいと思った作品。

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庭にでも置いて、この根に対面するように椅子を置いて飽きるまで見つめたい。根の瘤が色々なモノに見えてくる。

 

放射状のこの複雑な根張りを陶器で現せないだろうか。

 

自然造形の写し

人工造形の有機物への溶け込ませ

苔、苔、苔

経年を感じさせる質感

 

 

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もう一つ。

 

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燃える焔

樹の根と瘤

渓流の水

波濤

 

眺めていても飽きないもの。そういう造形を造りたい。