8月に来ると思われていたルーマニア人夫婦が、急遽、
「明後日到着の飛行機の予約が取れたからよろしくー。
宿もどこ行くかも何も決まっていないけど、日本に着いてから決めるわ。
会えるの楽しみにしているよー」
と連絡が来た。
我が家に泊めて欲しいのか、不要なのか。
奥さんはどういう人なのか。
日本で何がしたいのか。
どのくらいの予算があるのか。
ハネムーンで期待していることは何かあるか。
日本の高湿度の猛暑に耐えられるのか。
我が家に犬がいるがアレルギーはないか。
「もてなし」の基本はまず、相手を知ること。相手がどんな人で何が好きかを知らないと話にならない。
18年間会ったことのない友人
奥さんがアフリカ系か生粋のルーマニアかも不明
仕事は何をしてるのかも不明
所得レベルも予算も不明
寿司や刺身を食べられるかも不明
旦那がドラゴンボールとサッカーが大好きということだけわかっている。
取り敢えず、私も仕事があるし平日は対応できないので週末まで浅草に宿をとってもらうことにした。浅草ならば上野や築地を含め2日間ほど観光して楽しんでもらえるだろう。
一泊3万円程のハネムーンで盛り上がれそうな宿から、一泊2500円程の混合ドミトリーのゲストハウスまで4つほど宿を提案してみたら、真っ先に最安のゲストハウスを予約したとの連絡が来た。ううむ。まともな予算を確保してきているのだろうか。
フェイスブックを見ると、結婚式の写真が上がっていた。先週末に挙式したばかりらしい。奥さんは感じの良さそうなルーマニア美人。挙式を終えて日を開けずに電撃的に日本に新婚旅行に来るようだ。
日本の夏はサウナ状態でヨーロッパ人は苦手な人も多いけれども大丈夫か、と尋ねた。
「おれアフリカ人だから無問題。アフリカも暑いよー」との返事が来た。
適当なお前のことなど聞いていない。ルーマニア生まれ育ちの奥さんのことを心配しているのだ。新婚旅行だというのに、全くの無計画で、奥さんに配慮しない天真爛漫すぎる回答に「おまえ、大丈夫か」と問い詰めたくなる。
結婚式の後の、夫婦の新婚旅行。もう少し前から計画を立てるものではないだろうか。全く旅程も宿も決めずに出発して、久しく連絡を取っていない旦那の友人をあてにして、まずはそこらに他人も寝ているゲストハウスの混合ドミトリーに泊まることにして。それを全て許容しているとしたら、どんな奥さんなのか。こちらも気になってくる。
学生時代に海外で多くの人に世話になった自分としては、海外からの友人には「親切の倍返し」をモットーにしている。それにしても事前計画の猶予なし、夫婦の素性不明で新婚旅行をもてなせってのはいろいろと、頭が痛い。
え、そこ撮る?
「愚かな生物よ」