想像斜め上のルーマニア人的日本食の愉しみ方

取り敢えず、三連休は我が家に泊まってもらい、計画作りのお手伝いをすることにしたのだが来ない。午前中に着くという話だったが音信不通で来たのは12時半。

 

初手「すき家」。前回滞在した別のルーマニア人がここのカレーが安くて美味しいと絶賛していたので試してみる。自分だけできたことはないし。好きな店ではないけれども、早くて安い。

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焼き鮭定食が食べたいという。紅生姜が美味しいと言って大量にご飯の上に載せ始めた。さらにはフレンチドレッシングをかける。自由すぎて言葉を失う。全て笑顔で完食してくれたので、それが一番なのだということにしよう。

 

 

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初日の晩餐は高円寺区民酒場「左利き」へ。唐揚げにワサビ醤油か。すでに塩気のある唐揚げにさらにつける発想はなかった。

「冬瓜の含み煮」も口に合うらしい。こんな味の食べ物は初めてだそうだ。

獺祭のような果実香のあるスッキリしたキレの日本酒はやはりウケが良い。今まで飲んだことのある日本酒と全然違う、これが本物の日本酒か、と。

  

大戸屋の炭火焼鶏は美味しい、美味しいと食べていた。五穀米は味が薄いようで、ソースをかけ始めた。あまり薄味には慣れていない様子。

 

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中野ブロードウェイでアニメやらフィギュアのウィンドーショッピングを楽しんだあとはZINGAROへ。案外、抹茶カキ氷も餡子も違和感なく楽しめた様子。「緑な塊が出て来たからサラダかと思った」との反応が面白かった。

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カフェラテに生姜パウダー、シナモン、黒胡椒が入ったもの。なかなか生姜が辛いのだが、旦那が「これ、最高。作り方を是非教えてもらってくれ」と言うほどの気に入りよう。



晩御飯にはがんこ寿司の山野愛子邸に連れて行った。結論からすると、我ながらかなり良い選択だと思う。新宿にありながら、門構えが立派で日本庭園を備えた写真映えのするお屋敷。入店する前に既に写真撮影会状態になる。

 

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先付けに酢の物、豆腐のトマトジュレ、牛肉のしぐれ煮がとても和風な装いで出される。ああ、どこかのテレビで見た和食っぽい、とテンションが上がり、何やら得体の知れないモノだけれども味としては食べやすい。「こんな味、初めて食べた。すごい美味しいね」とのこと。

 

焼物やら会席のメニューを続けるところを、味付けが濃い目の和風シーザーサラダにタルタルソースのかかった鶏南蛮と脂っこい料理も加えて外国人の満足度を高める。

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さらには一度も冷凍されていない熊野から直送されたという本鮪がワゴン巡回してくる。目の前で追加注文することで、板前さんが目の前で握りにしたり刺身で頂いたり鉄火巻きにして頂けたり。出されたものを食べるだけではなく、こんなエンターテイメントも盛り込まれていて素晴らしい。

 

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しゃぶしゃぶはこうやってしゃぶしゃぶ、ってやって食べるんだよ、と教えるとひたすら「シャーブ シャーブ」と言いながら食べる。胡麻ダレとポン酢醤油に好みで漬けて食べるわけだ。どちらのタレが好みかと聞いたら、「両方、同時が美味しい」と言って胡麻ダレとポン酢醤油をいつのまにか混合したタレを見せてくれた。自由すぎる。

 

締めには饂飩がいくらでもお代わりができて、量が足りない人には調節ができるが、締めの饂飩は不要なくらい全体の料理に量があった。

 

日本庭園を備えた邸宅のような雰囲気での会席なら少なくとも8000円、軽く1万円超えしそうな室礼のなかでの会席が3480円で頂ける。和食に親しんでいる人には、何やら少しおかしいぞ、と思われてしまう献立かも知れないし、本場日本に来たのだから本国では食べられない上等な和食を食べたいという人の期待には応えられないかもしれない。

 

しかし、会席の類は殆ど食べたことがなく、薄味を愉しめない人が安く雰囲気も含めて初めての日本を愉しむならば、とても素晴らしい店だと思う。内装や雰囲気の比率高め、握りの実演提供などの娯楽があり、わかりやすく食べやすい満足度の高い味。それが懐の痛まない3480円という低価格から楽しめてしまう。

 

初めての日本。

日本といえばゲイシャサムライニンジャ最高って、ノリな外国人

かつ予算制限が厳しめ

 

そんな外国人ゲストのニーズに絶妙に応えている。がんこ寿司は京都でも第二無鄰菴という歴史的建造物の邸宅を改装した店を運営しており、一流な建造物と日本庭園の中で、舞妓さんを招いたショーも観れ、格安な会席料理を出してくれる。東京ではなおさら「山野愛子邸」のようなメリハリの効いた店はない。

 

来日2日はゲストハウスの二段ベッドに泊まり、その後は友人宅に転がり込んでいる友人夫婦。「ようやくハネムーンな気分になって来たわ!」と奥さんも上機嫌になり、ライトアップされた邸宅の門の前ではハグしたりキスしたり、何やら新婚夫婦らしく愉しそうだったので成功としよう。

 

夜は自宅でワールドカップ観戦している。

 

ここら辺がウケが良い。