汗かく葡萄山椒の鮮烈な辛さの麻婆ラーメンがやみつき 阿佐ヶ谷「箸とレンゲ」

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阿佐ヶ谷のガード下が一昨年に綺麗にリノベートされ、イタリアンやカフェ、オーガニックスーパーなどと共に一角に「箸とレンゲ」というラーメン屋が入った。アンチチェーン店の私としては、なんだチェーン店か、と最初は思ったものの予想を上回ったので書いて置く。優れた個人店がチェーン店へと発展していく家庭の典型例なのかもしれない。

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内装は明るく小洒落ていて1人客にも入りやすいレイアウト。

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ここの売りは麻婆ラーメンと担々麺。それぞれに葡萄山椒の実をたくさん入れたほんの少し高いメニューと、実山椒の入ってない少し安いメニューが選べるようになっている。置かれているビールはCOEDO。晩酌セットもある。

 

さらには麺を半分にしたり、麺を野菜に変えたり、豆腐に変えたりと炭水化物を避けたい人にも優しい細かな気配り。紙エプロンの準備も抜かりない。

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で、肝心のラーメンなのだが、ううむと唸ってしまった。実山椒の辛さが頭のてっぺんから汗を吐き出させる。辛い。旨い。茄子やら乾燥玉葱やら具も盛りだくさん。

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しかも麺はよく見ると、白滝のようなビーフンのような麺と混合。カロリーにより優しい配慮。これは男性客だけではなく、女性の一人客も虜にしそうだな。

 

店を出る際には、もう次はいつ来ようかと考えてしまう。高円寺のXing Fuに少し似ているラーメンだが葡萄山椒の鮮烈な辛さと値段の手頃さは魅力。

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葡萄山椒ジャムがアクセントという杏仁豆腐も180円という安さとデザートに追加しやすい分量。

 

麺庄はチェーン店だけれども、市ヶ谷の「麺や庄の」というラーメン店から始まった元は個人店で破竹の勢いで成長しているラーメン屋だ。サンフランシスコに出店した店は現地のニーズを捉え、形態を適合させ、39ドルという高単価でも予約の絶えないミシュラン一つ星の人気店となったそうな。それが今度、MENSHO SANFRANCISCOとして日本に逆輸入出店するらしい。しかも2000円弱というこれまでのすぐ食べて出て行くラーメン屋の概念を壊す店として。

 

組織としての規模の拡大は店舗レイアウトに秀でた人、デザインに優れた人、生産農家周りや物流確保に優れた人など強みを持ち合わせることを可能にする。この店も、ターゲットやコンセプトがわかりやすく、店の内装から座席からメニューオプションまで一貫している。それでいて庄野氏の個人店から始まった個性がまだ強く活きているから全体のバランスが非常に良い。このステージまで辿り着く個人店は本当に少ない。

 

全く同じメニューの店を何店舗も出すわけではなく、あちこちに異なるコンセプトのラーメン屋を開いているのも魅力的。後楽園のラム肉ラーメンや新宿二丁目つけ麺GACHIのつけ麺も食べてみたい。