活花を趣味にして愉しむ実家の母へ、誕生日に向けて焼いた鉢が焼きあがっていた。
人に花器を焼いて贈るなど初めてだ。いろいろ、粗はあるが息子の銘の入った手製の花器なのだからあとはご自身の活花の腕前で形にしてもらうしかない。
一部に土肌を露出させたが、その焦げっぷりも縮れも狙った通りに出てよかった。
菊練りしている最中の形を利用した花器の上部。活ける人の視点が私にはないので花器の口の周辺が装飾的なのは邪魔なのか、それも活け方次第なのか。感想をもらうしかない。
細部は少しばかり手を加えて複雑にしている。峰の山は釉薬を落として土肌の凸凹が出るようにした。マンガン窯変釉だけでなくラスター釉も併用して単調にならないよう試みた。
中に水を張り剣山を置いてもらうので、米の研ぎ汁で煮沸して水漏れ防止処理もしておく。底に板を傷つけないようにフェルトを貼り、割れないように梱包して送らねば。とりあえず間に合いそうでホッとした。
もう一つ、シダを鬼板、黒マット、マンガン窯変釉で多重に描いた鉢も焼き上がっていた。
マンガン窯変釉がまだ厚すぎたようだが、のっぺりとした質感とボヤけた輪郭はそれとして良い。
対比的に鬼板は濃く、輪郭も鋭く、黒々と発色した。
難点は黒マットの焦げが弱く存在感に乏しいことか。もっと茶色く形状が判別がつくぐらいに発色して欲しかった。
この3つの特性を理解してバランスを改善したい。
鉢の内側はマンガン窯変釉薬が底まで流れてしまっていた。反省。
気にくわない部分も多々あるが総じて及第点といったところか。似た作風のものを反復して作って洗練させていきたいものだ。
来週末には発送と多肉植物の植替えを完了したい。