息子、陶芸初挑戦。2時間半で私と妻の人形を作ってくれ、さらに紐作りで植木鉢を作ってくれた。紐で外周に装飾を施したなかなか自由な作品だ。
さらに3時のおやつのドーナツを食べた後に半時間ほど作陶したが、そこから先はもう飽きてしまったのでスマホで遊んでいてもらった。幼稚園児にしては3時間作業するだけでも集中力が長く続いた方だろう。出っ張り渦巻きの部分は乾きにくいからといって内側から指で穿つなど、教えてもいない工夫をしていた。
面白いな。分厚くて焼成費が嵩むので少しばかり内側を軽量化し、無骨で太い脚をつけ、ラスター釉か何かで焼いてあげよう。何か原始的な、あるいは異形なサボテンを植え込んだら面白いかもしれない。息子と同じ樹齢のオベサ玉やホリダ玉でも良い。
なかなか大人と同じペースでやるのはまだ難しいかもしれない。常に何がしか目を配るので私が集中を要する作業ができない。しかし、初回でしかないし、これから色々覚えて自分であれこれ作っていってくれるようになれば良いのかもしれない。月に一回、大人の半分のペースで通えないか相談してみよう。
昨晩、1時間弱で雑に作った狗鉢は身体は焼締にしてマットにしたい。歯を白マット釉薬、眼を黒マットで光沢を出して異なる質感であることを強調したい。尾や飾りは白化粧しようか。
これは断じてマンゴー殿ではない。もっと獰猛で醜いぐらいの狗にしたかった。目を大きくすれば、表情はどうであれもう少し可愛らしくなるのだろうけれども、可愛くないブサイクなやつが作りたかった。
身体は黒土のままで良さそうだ。尻尾が白いのは吉と出るか。
目と鼻先に黒マットを塗った。鉄の赤さで怖くなってしまったが焼成後は黒く艶が出るはず。
無論、植木鉢なので尻尾の中に穴が空いており植えこむことができるようになっている。増えた緑蛇を株分けして植え込もうか。焼き上がれば、釉掛けの状態よりも地味に落ち着いた色合いになるはず。
猪あかべこは飾り毛はマンガン窯変釉、身体は白化粧で毛筋を描いた上から柿渋釉、鼻先や蹄は黒土を露出させて残す。目と牙は白マット。赤伊羅保があれば試したかった。
下地の白い毛並みは隠されずに出てくれるだろうか。
そういえば、目を白くしたのだが猪の目は白かっただろうか。野生動物は白眼は目立つので基本的に黒目だよな。間抜けに見えてしまう。
肝心の鹿頭骨鉢は鋳込みの型外し後に崩壊してしまった。思うに鋳込み時間が長すぎて泥漿を注ぎ出すのが遅れたのが原因だと思う。
他の作業に気を取られて継ぎ足すのも泥漿を注ぎ出すのも時間管理をなおざりにしたツケはしっかりと返ってきてしまった。
狗も猪も素焼き工程を端折ったやっつけ作陶だ。ある意味、民芸陶器植木鉢とも言えるのかもしれない。そこらの寂れた古くからの観光地の軒下に並べて売られてそうなシロモノ。
ヘタウマ系の猪やら狗やらを象った鉢を連続して作っているが、次の作品はギアを上げて気合を入れて作り込みたい。身体はざっくりとヘタウマ、あるいは雑だけれども目や表情だけは繊細で細かくしたい。丸めた粘土をくっつけただけでは、上手く表現してもユーモラス、正直にいえば稚拙で間抜けにしか見えないものな。