(ZINGAROは既に閉店)
巷で、まあ限られた一部の人達の間で話題沸騰の玩具がある。ガチャガチャで買えるプラスチック樹脂製の団子虫で、いくつかのシークレットカラーがある。平均的な団子虫サイズの1000%で完全再現という触れ込み。ヨドバシカメラでも売っていなかったし、Amazonで買おうとしたら定価500円の品に1000円の値段が付いていた。希少な色だと2000円だとか。そんな瀬取りに貢献するつもりはない。
売っている心当たりは中野ブロードウェイしかないので覗いてみた。
通常のガチャガチャと異なり、カプセルに入らずにシュリンクラップで包まれて出てくる。それだけ真球に近い形状だということ。流通上も、包装費用上も素晴らしい商品と言える。
自分の頭の中で描いていた造形と寸法やバランスに大きな違いがあることがわかる。最後部の外殻が長く一体化しており、ここは丸まらない。
第一触角と思っていたものは実は第二触角で、本来の第一触角は退化して目では確認できなくなっているそうな。脚は七対。節も7つ。孵化したばかりでは脚は6対しかなく、最初の脱皮時に2本生えてくるのだそうだ。団子虫は餌は口から食べるが水は尻から飲むことなど、知らないことが多い。
脚は広げて歩行時を表現し、丸める際には中に閉じるギミックがある。500円也。これを500円で販売できるとは工業大量生産化は素晴らしい。現代の恩恵だ。
昼食を摂りに「ZINGARO cafe」へ。村上隆のアートと趣味をちりばめたカフェレストランで観光客に人気がある。この日は中国人、韓国人、そして欧米人で埋まっていた。
巨大な犬の人形が立っていた。
このアニメ的カワイイ花柄は全くもって興味はない。好きではなく、嫌うほどでもなく、単に興味がない。
しかしそれでもZINGAROに来てしまうのはアースカラーで落ち着く店内で、予想外にカッコいい陶器を置いているから。一応、展示販売という扱いで値札が付いているが、9万円だの5万円だの、なかなか手の届くような値段ではない。
村上隆氏はかなりの陶器収集家という別の顔を持っている。彼の好みの器は私の好みのものも多い。そこに親近感が湧く一方で全く興味のない位相的には随分と遠距離にあるアニメ柄も描くので、理解しかねる人でもある。
映えるよね。みな、儀式のように写真を撮ってから食べ始める。
1300円。見た目勝負のボッタクリかと思いきや、無難に美味しいのだよな。
家に帰ったら、風呂に入れたりと子供が団子虫で遊んだ。湯船にはあっけなく沈む。脚の数は14本だとか、一回に産む卵の数は50個程度だとか、基礎的なことを覚えた。
わんぱくそうな友達でも、虫を触ることのできない園児が多いと聞く。こういうところから虫にも親しんで欲しい。蝉の抜け殻、蟻、カナブンなど1000%シリーズをバンダイには展開していって欲しい。