五美大卒展 2019年

毎年、新国立美術館で催される五美術大学の卒業制作展へ。


観に行くならば幼稚園の息子を連れて行かねばならない事情があり、行くか逡巡した。しかし行くならば今日しかない。そこで、念には念を入れて作品には触らないことを約束してもらい、鑑賞時は手をずっと繋いでいくことにした。


いざ廻ってみると、触るような素振りは全くなく、むしろ「これ見て!」「ほらほら、電車の駅だ」「これ、綺麗だね」と私の手を引いて回る次第。息子なりに感じ入るものがあった様子。

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目に留まった作品をいくつか。

蓮の葉が取り囲む黒い地面に肉食獣の頭蓋骨をした裸の人が横たわる。左手は折れて先が無くなっている。

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含意は何なのだろう。こういう作品は是非制作者のお話を聞きたいものだよな。

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淡いエメラルドグリーンの池を泳ぐ鯉、二匹。石燈籠が唯一の人工物が描かれているが、これは兼六園のものだろうか。

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至近距離で観るとそのディテールに魅入られる。

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装飾的で素敵だと思った白木板に藤の木と雌雄の孔雀を描いたもの。

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青や緑の鱗状の羽根がモザイク状に描かれていて表情豊かなのだけれども、目には別素材の眼球が貼られていて、異素材の光沢が絵全体を活き活きと感じさせてくれる。

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綺麗だな、と思って目に留まった。立体造形は写真の輪郭をなぞってデッサン力の無さを誤魔化すようなことができないから、なおさら巧拙が目立つ。陶で自由自在に造形できるようになりたいものだ。

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あのふわふわな羽毛の中に嘴を埋めて、気持ちが良さそう。あの鳩の中に入れたらどんなに気持ちが良いことだろう。そういう夢想を形にした作品なのだろうか。巨大お籠りデイベッドか。

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犬版が欲しい。

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テラコッタ。こんな大きさで作っても見苦しくない造形力を身に付けたい。

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私が左の作品に魅入る間に、息子は繰り返し繰り返し目玉焼きがあることを教えてくれた。

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我が家のマンゴー殿もこの絵のように、テレビに犬が写っていても無関心な時もあれば、食い入るように魅入ることもある。その違いは何なのだろう。

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子供づれだと作品に近づいて制作者の名前を確認することができなかった。今日観た作品の作者の将来の制作品をまたどこかで観たい。


卒展は入場無料だし、作風が様々な作品が一堂に会していて楽しいし刺激的。