東洋美術の宝庫、国立ギメ東洋美術館。

巨大なナーガ像やリンガなど石像が林立するギメ東洋美術館。そういえばインドシナはフランス領だったと思い出させる展示の数々。

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アンコールトムを彷彿とさせる巨大な顔。

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その裏は鉄柱で支えられていてハリボテ状態。石造りの塔の表面を覆うように彫り込まれていた表層を綺麗に剥いできたのだな。カンボジアのどこかには表面を剥がされて無残な塔が残るわけか。痛々しい。

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素朴で味のある猿。手の長さが良い。

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古代中国の青銅製の祭器。牛や鶏、兎は見たことがあるけれども象は初めてだ。古代中国に象は既に南方から連れてこられていたのか。

 

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残像。

 

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豚か犬か。

 

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インドからも石像があれこれ。

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表現したいものが清々しいほどに明快。「くびれ」。

 

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ギメ東洋美術館はガンダーラ美術の質の高さでも有名だそうだ。この頃の仏像はデフォルメもされておらず時代が下った小乗仏教の尊顔よりも写実的。鼻の高さと彫りの深さはまるでアジア人と欧米人のハーフのような塩梅。

 

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丸みを帯びていながら鼻筋は通っていて、なんとも優しげな表情。ガンダーラ美術は好みの一ジャンル。滋賀県のミホ美術館の巨大なガンダーラ石仏も素晴らしかったっけ。

 

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アフガニスタンで見つかったとはなかなか信じがたい。ヘレニズム文化だとかガンダーラ美術を知ると、本当に東は中国から西はローマまで繋がっていたのだな、と実感できる。現在よりも遥かに旅程は険しく不便で時間もかかっただろうに、あの長距離を交易が繋いでいたなんて壮大な話だ。そんなシルクロード交易を題材にした面白い小説はないものか。今度探してみよう。

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ちょっと待ってくれ、説明してくれ、という像。